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年収1500万→半減でも人生最高。外資系広告マンが惚れた銭湯という“ビジネスモデル”

9/20(金) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

創業86年になる高円寺の銭湯「小杉湯」。38歳の菅原理之(ガースー)さんはこの9月、そんな老舗銭湯への「転職」を決めた。

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前職は外資系広告代理店のプロデューサー。社員の数は約1万人から3人に、年収は今までの1500万円から半分になったが、ガースーさんは充実感たっぷりだ。

収入と幸せは比例しない

JRの高円寺駅に降り立つと、ブワッとした喧騒につつまれた。駅前のパチンコ屋の横のにぎやかな商店街を歩いていくと、赤い帽子の園児たちがヨチヨチと通り過ぎる。

そこから小道を一歩入れば、まるで昭和からタイムスリップしてきたような銭湯「小杉湯」が見えてくる。

外資系広告代理店で「ゲームのようにレベルアップしている感じ」のキャリアを築いていたガースーさんが、まさかの銭湯に転職することになった理由は、30代の半ばに感じた悩みだった。

「お客さんの上司が変わったから方針が変わってしまうとか、『こうしたら広告賞が取れる』という代理店の方針とか。しがらみは当然と分かっていつつも、(違和感が)ぬぐえなくなってきて」(ガースーさん)

収入と責任が増えるにつれ、積もっていく違和感。

そんな折、趣味で入っていたサウナのオンラインサロンを通じて、たまたま小杉湯でフィンランド関連のイベントをすることになった。

「そういえば代理店のクライアントにフィンランド航空さんがいた。つなげるよ、提案しに行こうよ!」

ボランティアで働くガースーさんをみて声をかけたのが、小杉湯の三代目・平松佑介さん(39)だ。

銭湯というビジネスモデル

じつは小杉湯も、銭湯業界ではちょっとした風雲児。

オンラインサロン「銭湯再興プロジェクト」や銭湯の音楽フェスなど、一風変わった取り組みをしかけてきた。その仕掛け人といえるのが、人材系ベンチャー立ち上げの経験もある三代目の平松さんだ。

なぜ、小杉湯からあたらしい企画が次々と生まれているのか。 平松さんはまず「きれいできもちいい」という、初代から続けてきた銭湯の本質を大切にする、とした上でこう続ける。

「銭湯ってひとつの強い体験。さらに毎日人も集まっていて、生活の一部になれる場所でもある。だから、深いレベルでファンになってくれやすい」(平松さん)

イベントを立ち上げたい、番頭になりたい、というお客さんの声をすくい上げていたら結果としておもしろい人が集まっていた、と平松さんは笑う。

関わりを深めるうち、ガースーさんも「銭湯というビジネスモデルはおもしろい」と考えるようになり、ついに入社を申し出ることに。前職の仲間からは、わけが分からない、といわれる決断だった。

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最終更新:9/20(金) 12:27
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