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軽減税率、混乱の予兆? セブンの計算方式変更で「実質値上げ」が突然起きたワケ

9/20(金) 9:57配信

税理士ドットコム

10月1日から消費税が、8%から10%に増税されます。これに先立って、セブンイレブン・ジャパンが、レジの計算方式を変更したところ、利用者の間で混乱が起きました。複数税率(軽減税率)に対応したシステムの変更によって、同じ商品でも支払うお金が増えるケースが発生したからです。軽減税率の直接の影響ではないのですが、今後の混乱の予兆と言えるのかもしれません。

●税抜き価格の合計額に課税するようになった

セブンイレブンはこれまで、商品ごとに消費税(8%)を課税した税込み価格を合計して、支払い金額を算出していました。9月16日から、この計算方式を変更して、商品の税抜き価格を合計した金額に8%を課税するようにしました。

この変更によって、次のように支払い金額が増えるケースが出たのです。

たとえば、税抜き93円、税込み価格100円のコーヒーを3つ購入した場合、これまでの支払い金額は300円でした。しかし、計算方式の変更によって、コーヒー3つの税抜き価格の合計279円に8%を課税するので、支払い金額は301円となるのです。1円多くなります。

ツイッターでは「実質的な値上げだ」といった批判の声もあがっています。このような計算方法に問題はないのでしょうか。

国税庁に取材したところ、「消費税法で決めているわけではなく、事業者の慣習などにゆだねられています。価格の表示をどうするかも、事業者の判断になっています」ということでした。このやり方自体は以前から認められているもので、軽減税率の仕組みと直接関係しているわけではありません。

●セブン「事前の告知が不足していました」

ただ、セブン&アイ・ホールディングスの広報は、税理士ドットコムの取材に対して「計算方式の変更の背景は、消費税率変更にともなうものです。直前になってくると、店の負荷やシステムエラーの可能性がある中で、事前に実施しました」と話しています。

また、計算方法の変更にともなって、これまで税込みだった表記が、税抜きに変わったことについては「複数の税率が存在するので、お客さまにとって、できるだけわかりやすく表記するにはどうしたらいいのかという論議の中で、こういうかたちになりました」と説明しました。

そのうえで「税抜きの合計にかかってくると、端数分が切り上がってきます。これまでと支払い金額が異なる部分については、事前の告知が不足していたと思います」とお詫びしていました。

●内閣府のウェブページにも記載

なお、内閣府のウェブページ(https://www.cao.go.jp/tenkataisaku/yokuaru.html)にも次のようなQ&Aが書かれています。以下、抜粋します。

Q4:消費者である。スーパー等のレジで個々の商品の税抜価格を合計して消費税率をかける場合と個々の商品の税込価格を合計する場合で消費者が支払う金額に差が生じる。

例えば、税抜価格が93円、税込価格が100円の商品を12個買った場合、前者の方法で計算すると93円×12(個)×1.08=1205円、後者の方法で計算すると100円×12(個)=1200円となる。事業者によって計算方法が異なるが、何らかの決まりはないのか。

A4:各事業者における販売価格の設定方法や価格表示の方法、レジにおける精算方法については、取扱商品や提供するサービスの性質、取引慣行などを踏まえ、各事業者の判断に委ねられているところです。

こうしたこともあり、御指摘いただいたように、価格表示の方法やレジでの精算方法の違いによっては、消費者の最終的な支払額が事業者によって異なるケースもあると承知していますが、売上げに係る消費税額は、上記の違いにかかわらず、原則として消費者が支払う総額(税込価格)の8/108となります。

各事業者においては、採用している消費税額の計算方法が消費者に御理解いただけるよう、適切な対応を行っていただきたいと考えます。

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:9/20(金) 9:57
税理士ドットコム

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