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【music】矢沢永吉、内田裕也…「生涯ロックンロール」を貫く生き方

9/20(金) 7:15配信

婦人公論.jp

◆ロックンロールは永遠に

矢沢永吉が、ニューアルバム《いつか、その日が来る日まで…》をリリースした。9月14日で70歳となる矢沢にとって、前作《Last Song》以来7年ぶり、34枚目のオリジナルアルバムだ。7月には自身が初めて主催するフェスに、氣志團や東京スカパラダイスオーケストラを招くなど、下の世代のミュージシャンにもファンが多い。その唯一無二の存在感を改めて示す一枚となっている。

アルバムのキャッチコピーは「本物の大人のロックンロール&ロマンス」。バラエティに富んだ曲調からなる全10曲は、全体を通して大人の男の色気を感じさせる仕上がりになっている。切れ味鋭いギターリフに乗せてシャウトを響かせるロックンロールナンバー〈魅せてくれ〉や、アップテンポな〈稲妻〉などエネルギッシュな楽曲だけでなく、哀愁あふれる〈ヨコハマU・U・U〉や〈デジャブのように〉も聴きどころ。表題曲〈いつか、その日が来る日まで…〉は、演歌や歌謡曲の数々の名曲を手掛けてきたなかにし礼が作詞を担当。ピアノ主体の壮大なバラードの曲調で、ステージに立ち続けてきた自身の人生を振り返り、最後となる“その日”が来るまで歌い続けることを誓う、感動的な一曲だ。

10年前に当時所属していたEMIミュージック・ジャパンから独立し、自らのレコード会社を立ち上げた矢沢。コンサート制作会社やレコーディングスタジオも運営する経営者でありつつ、現役ロックシンガーとして活動を続けてきた。11月から全国ツアーも開催される予定。70代に突入しても第一線で活躍する矢沢の、年齢を感じさせない魅力に満ちたアルバムだ。

《いつか、その日が来る日まで…》
矢沢永吉
ガルル・レコード 3000円

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◆「生涯ロックンロール」を貫いた内田裕也の生き方

ロックシンガーだけでなく俳優としても活躍し、また樹木希林の夫として、その破天荒な生き方が広く知られていた内田裕也。今年3月17日に79歳で亡くなった彼の追悼ベストアルバム《MY LIFE IS R&R!》が発売された。デビュー曲〈ひとりぼっちのジョニー〉のほか、ソロシンガーとして1963年から65年の3年間に東芝音楽工業(当時)に残したシングル6枚、尾藤イサオと組んで作ったアルバム2枚の収録曲を中心に構成。初CD化音源も含む内容で、内田の若かりし頃の歌声を堪能することができる。

エルヴィス・プレスリーに憧れてデビューした内田は、当時主流だったカントリー&ウエスタンやロカビリーだけでなく、チャック・ベリー、プレスリーなどのロックンロールをいち早くレパートリーとして取り入れていた。66年にはビートルズの日本武道館公演で前座も務めている。そんな彼だからこそ、このアルバムでは〈トゥティ・フリッティ〉や〈ビーバップ・ルーラ〉などロックンロールの名曲、さらにはローリング・ストーンズ〈ハート・オブ・ストーン〉やビートルズ〈アイム・ダウン〉のカバーを聴くことができる。

内田は、70年代にフラワー・トラベリン・バンドを率いて世界進出。さらには現在まで続く年越しイベントの「ニューイヤーズ・ワールド・ロックフェスティバル」を立ち上げるなど、ミュージシャンとしてだけでなく、プロデュース力にも長け、音楽界に数々の功績を残してきた。そんな彼の初期衝動を感じさせる一枚だ。

ローリング・ストーンズのミック・ジャガーを筆頭に、海外では70歳を超えた現役ロック・ミュージシャンは少なくない。「生涯ロックンロール」を貫いた内田裕也の生き方、そして今も第一線で活躍を続ける矢沢永吉の最新作からは、かつてのように若者だけのものではなくなった、今の時代の「ロックンロール魂」を感じることができる。

《MY LIFE IS R&R!》
内田裕也
ユニバーサル 2500円

柴那典

最終更新:9/20(金) 7:15
婦人公論.jp

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