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日本は主権国家といえるのか? 米軍優位の日米地位協定・日米合同委員会と横田空域(16) 在日米軍基地は戦争の出撃拠点(吉田敏浩)

9/20(金) 11:41配信

アジアプレス・ネットワーク

◆日本の空で訓練を積んだ米軍機がイラク戦争で空爆

横田空域をはじめ日本の空で、低空飛行訓練や対地攻撃訓練(射爆撃は伴わない)をおこなう米軍機は、実際に戦争で空爆をしてきた。

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2003年のイラク戦争では、当時、横須賀基地を母港としていた米海軍の空母キティホークがペルシャ湾に出動し、空母艦載機のFA18戦闘攻撃機などが、計5375回も出撃し、約390トンもの爆弾を投下して、多くのイラク人の命を奪った。

それら空母艦載機は、群馬県の上空で横田空域にふくまれ、米軍が「ホテル特別使用空域」と呼ぶ自衛隊訓練空域「エリアH」と「エリア3」の空域で対地攻撃訓練を重ねていた。

米軍パイロットは日本の空で操縦・攻撃の技能すなわち戦技を磨いて、戦場におもむき、激しい空爆を繰り返したのである。

イラク戦争では三沢基地の米空軍のF16戦闘機なども出撃した。
日本各地の低空飛行訓練ルートが、やはり米軍パイロットの戦技向上のために使われている。

横須賀基地からは巡洋艦カウペンスと駆逐艦ジョン・S・マケインもペルシャ湾に出動し、計70発のトマホーク巡航ミサイルを発射した。
ミサイルはイラクの地に降りそそいだ。

地上部隊としては沖縄駐留の海兵隊もイラク占領後に派兵され、米軍に抵抗する武装勢力を市街戦で制圧する作戦に加わった。

それら米軍の攻撃によってイラクでは多くの人命が失われ、人びとが傷ついた。

在日米軍基地は戦争の出撃拠点なのである。
そんな基地の維持費として、日本は年間数千億円もの国費つまり税金を支出している。

日本はアメリカの戦争を支持することで、米軍に殺傷されたイラクの人びとに対して間接的な加害者の立場に立ったのである。

米軍のパイロットたちは日本の空で腕を磨き、参戦し、また次なる戦争に備える。

戦場を行き来する血塗られた米軍機が、私たちの上の空を飛び回っているという現実がある。
それは朝鮮戦争やベトナム戦争の頃からずっと続いていることだ。

米軍機の低空飛行訓練ルート下や訓練空域下の住民、そして基地周辺の住民のなかには、自分たちの住む地域の上空、日本の空が米軍の戦争のために利用されることに対し、「許せない」との思いを抱く人も少なくない。

「日米安保のための訓練を日本の空でしていると言いながら、米軍機が日本の安全や極東の平和と関係のないイラク戦争に出撃するのはおかしいのではないか?」と、私は外務省北米局日米地位協定室に質問したことがある。

しかし、次のような答えが返ってきただけだった。

「米軍部隊が日本の領海や領空を出た後、移動していった先でどんな任務につくか、日本政府は関知しない。日米安保条約にも抵触しない」

だが、どう考えても、安保条約に違反する米軍の出撃を正当化しようとする都合のいい理屈にしか聞こえない。

横田空域を米軍が手放さない理由。

それは軍事空輸ハブ基地として、輸送機などの円滑な出入りのための空域確保とともに、広大な空域を戦争のための訓練エリア・出撃拠点として最大限に利用しつづけたいからにちがいない。(つづく)
 
*関連図書
『「日米合同委員会」の研究』謎の権力構造の正体に迫る(創元社)吉田敏浩 2016年
『横田空域』日米合同委員会でつくられた空の壁(角川新書)吉田敏浩 2019年
『日米戦争同盟』従米構造の真実と日米合同委員会(河出書房新社)吉田敏浩 2019年

最終更新:10/10(木) 17:31
アジアプレス・ネットワーク

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