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中野駅から徒歩5分 昭和と令和をつなぐ異空間「中野新仲見世商店街」、純喫茶からアバター立ち飲み店まで その魅力に迫る

9/20(金) 6:03配信

アーバン ライフ メトロ

中野北口に位置、発足は1949年

 JR中野駅の北口から徒歩で5分。サンモール商店街を抜けて少し東にある「中野新仲見世商店街」(中野5。以降「新仲見世」)は、まるで映画のセットのような空間に、ノスタルジーとカオスとフューチャーが混在する、ちょっと不思議な商店街。今回は、中野にぽっかりできた異空間のお話です。

【写真】懐かしい、そしてなぜか落ち着く……都内にある路地裏の風景(13枚)

 中野新仲見世商店街は、戦後の1949(昭和24)年に発足した、中野北口の中では新しい商店街で、隣接する「ふれあいロード」が、その昔は仲見世商店街だったことから「新」と名付けられました。

 しかし、ほかの商店街が時代に即してそれなりに変化する中で、新仲見世には発足当時の雰囲気が色濃く残り、今では最も古い商店街の印象です。

私有地に隣接する公共地に桜の木

 一本の通路の両側に商店が建ち並ぶのが一般的な商店街だとすると、新仲見世はちょっと複雑な路地の造りが特徴です。おおよそ25メートル四方の土地の中央に、島のように建物が建ち、その周りをぐるりと囲むように路面店が軒を連ねます。

 ほとんどの土地は私有地の新仲見世ですが、島のように建つ建物に隣接した小広場だけは、なぜか公共地。これは、江戸から受け継がれた、防火を兼ねる集会場所としての役割を維持するための措置ではないかと思います。

 小広場の端には、昭和40年代の後半に植樹した桜が育ち、春には花見、夏には流しそうめんなどが、商店街の行事として行われていたようです。

夜になると、浮かび上がる映画セットのような光景

 1975(昭和50)年頃、小広場が突然陥没した事件がありました。さまざまな噂が飛び交う中、戦中をご存知だった人の一声で、かつての防空壕の崩落が原因と一件落着。しかし、その真相は未だに謎のままだとか。

 2019年現在、22軒ある路面店は1店舗を除いてすべて飲食店で、しかもチェーン系は一切ありません。開店当時の店構えで営業する老舗が何軒もあり、また新参の店舗でも建屋はほぼ戦後すぐの看板建築のまま。夕暮時、お店に明かりが灯ると、映画のセットのような光景が浮かび上がります。

 北西の奥に店を構える「PEP(ペップ)」は、近年オープンしたワインバル。しかし入口の上を見ると、なぜか「中華料理 北京亭」の看板が。北京亭は1954(昭和29)年創業の町中華。ファンも多い人気店でしたが、ご主人がお年を召して数年前に閉店。看板は名残を惜しむように、その歴史を伝えています。

 現役の古参は、小広場の東にある1966(昭和41)年開業の「武蔵野そば処」。数々のグルメ雑誌でも取り上げられる、本格手打ちそばの老舗です。そばの旨さはもちろん、ネギとワサビ以外に4種も添えられる色とりどりの薬味が目も楽しませてくれます。特に菊の花は、そばとの相性抜群。

 少し遅れて創業した串焼きうなぎの「川二郎」や、元力士の二子竜さんが切り盛りするちゃんこ鍋の「力士」、そして焼き鳥の「仲野」など、いずれも純和風な装いで、新仲見世のノスタルジックな風景に貢献しています。

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最終更新:9/20(金) 9:09
アーバン ライフ メトロ

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