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ラグビーW杯きょう開幕 キーマンは農家育ち SH・田中史朗選手

9/20(金) 13:17配信

日本農業新聞

 「ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会」が20日、開幕する。日本代表は今大会、W杯初のベスト8以上が目標だ。そのキーマンとして注目されるのは、京都市南区出身で実家が野菜農家の田中史朗(ふみあき)選手(34)。幼少期から農作業に関わり、「ラグビーをしていなかったら農業をしていた」と明言するほど、農業愛にあふれたプレーヤー。ラグビーファンだけでなく、農業関係者の期待も一身に背負い、きょう初陣のロシア戦に臨む。(前田大介)

キャベツ運び筋トレ

 田中選手は、前大会のW杯で“スポーツ史上最大の番狂わせ”と評され、日本が歴史的勝利を収めた強豪・南アフリカ戦に出場。この試合で最優秀選手の「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれた実力者だ。国代表同士の対抗試合に出場した回数は、今大会の日本代表選手の中で最も多い70を数え、高い経験値も兼ね備える。

 実家では55アールの農地で「九条ねぎ」やナス、エダマメを中心に栽培する。3兄弟の中で最も農業を手伝っていたという田中選手は、幼少期から家族と一緒に畑に通い、土いじりするのが習慣だった。「おとんが運転する耕運機に乗るのが楽しかった。今でも鶏ふんの臭いがすると懐かしい気持ちになる」と、思い出を語る。

 中学生になるとラグビーにのめり込み、農作業が筋力トレーニングを兼ねるようになっていた。当時は重量野菜のキャベツを生産。1ケース20キロあるキャベツが入った容器を一度に2ケース担ぎ、何度も畑と軽トラを往復。大人顔負けの腕力を発揮していたという。

 166センチ、72キロと小柄な田中選手は攻撃の起点となるスクラムハーフ(SH)がポジション。持ち味はボールを的確に操る高いハンドリング能力だ。「もしかしたら、ラグビーボールに似た楕円(だえん)形のキャベツをつかみ何度も運んでいたから、能力が養われたのかも」と笑う。

 田中選手を含む3選手の巨大田んぼアートが埼玉県行田市の水田に描かれるなど、全国の農業関係者の期待も大きい。田中選手は「体を維持できているのも、農家が作る農産物のおかげ。農家のためにも精いっぱい戦いたい」と意気込む。

 田中選手の父、義明さん(68)は「『ラグビーをやらへんかったら百姓する』とよく言っていた。ラグビーファンの中では『農家のせがれ』というイメージが定着しているだけに、ふみのプレーを見て、農業に関心を持つきっかけになってくれればうれしい」と期待を寄せる。

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最終更新:9/20(金) 13:17
日本農業新聞

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