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<ライブレポート>Spotifyが注目する若手アーティストが大阪に集結 【Spotify Early Noise Night #12 Osaka】を振り返る

9/20(金) 18:10配信

Billboard JAPAN

 世界最大の音楽ストリーミングサービス・Spotifyが、9月13日に大阪・心斎橋 Music Club JANUSにて【Spotify Early Noise Night #12 Osaka】を開催した。

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 Spotifyが次にブレイクするアーティストを選び、1年を通してバックアップしていくプロジェクト<Early Noise>。同プロジェクトでは、今後活躍が期待されるニューカマーの楽曲を集めたプレイリストと、それに連動したライブイベント【Early Noise Night】を定期的に開催し、数々の新人アーティストを応援し続けてきた。【Spotify Early Noise Night #12 Osaka】は、今回で3回目となる大阪でのイベント。本稿では、その模様をレポートする。

 FLAKE RECORDSの店長であるDAWAがオープニングDJを披露した後、本編のトップバッターとして登場したのは、姉のMona(モナ)と妹のHina(ヒナ)によるピアノ連弾ボーカルユニットKitri。少しダークな音色を持ち、時折入るベートーヴェンの旋律が印象的な「LIFE」を最初に披露し、オーディエンスを一気に引き込んだ。「こんばんはKitriです。今日は来てくださってありがとうございます。【Early Noise Night】、ぜひ楽しんでください」と「LIFE」とは雰囲気の違う明るい挨拶をすると、次に「矛盾律」や「さよなら、涙目」「羅針鳥」を披露した。ピアノの音とKitriの声が合わさったサウンドは、時には優しく、時にはおどろおどろしくオーディエンスに迫っていく。連弾であること以上の豊かさを持ったアクトで、オーディエンスを魅了した。

 2番目に登場したのは、23歳のソロ・アーティスト秋山黄色。鮮やかな金髪に覆われた秋山は、中学生の頃にTVアニメ『けいおん!』に影響されベースを弾き始め、高校1年生の時に初のオリジナル曲を制作していた。そんな秋山のライブは、「やさぐれカイドー」「クラッカー・シャドー」の2曲が最初に披露され、彼の目まぐるしいギターの音が会場を駆け巡る。「夕暮れに映して」では、楽曲の持つ様々な展開やフックに驚きつつも、秋山がマイクに向かって叫ぶ姿に威風堂々さを感じたオーディエンスもいたことだろう。最後に披露した「猿上がりシティーポップ」でもその雰囲気は引き継がれており、“初期衝動”という言葉だけでは言い足りない秋山の熱を感じとれるステージであった。

 秋山の次に登場したのは、18歳のシンガーソングライターMaica_n。今回のセットリストは、6月5日にリリースしたEP『秘密』に収録された楽曲を中心に組まれた。心地よいベースラインを持った厚みのあるサウンドの中、Maica_nのクールかつ力強い歌声で、まずは表題曲「秘密」を披露。「今日の日を楽しみに過ごしてきました」とMCで落ち着いてコメントすると、「Hanakoさん」「タバコと私」と歌詞が映しだす情景にマッチした楽曲が続く。そして最後には「Dance with me」を披露し、タイトル通り思わずダンスをしてしまいたくなる空間を演出。これからますますMaica_nの内にある音楽的な部分がポップネスを有して楽曲となり、それが世に放たれることを考えると大きな期待を抱かずにはいられないと、そのように感じさせてしまうライブアクトとなった。

 4番目に登場したのは、独自のグルーヴで聴く人を魅了するkiki vivi lily。「最後まで自由に揺れて楽しんでくださいね」と冒頭で挨拶すると、時間がもったいないという理由から、必要最低限のMCをはさみつつ次々と楽曲を投下していくkiki vivi lily。「Rainbow Town」「80denier」「AM 0:52」と、溶けていくような曖昧なサウンドと確かなグルーヴのコントラストが心地よく空間を支配する。「カフェイン中毒」「Waste No Time」では、よりメロウさが増し、一層宙に浮いたような雰囲気を醸し出したところで、最後に披露したのは「Copenhargen」。オーディエンスに一番のテンションを届け、曲の終了間際で鳴り響いたサックスではこのステージ最大の歓声が沸いた。大阪では初のライブで自身の空気をしっかり作り上げ、オーディエンスにいかんなく自身の魅力を見せつけたステージだった。

 kiki vivi lilyの次に登場したのは、ギターレス、ピアノ・トリオバンドのOmoinotake。最初に披露した「Hit It Up」では、サポートのサックスの音も合わさって開放的なサウンドを届けたが、次に披露した「Blanco」ではその音色が少しミニマムな方向へ。ベースとドラムの音が藤井レオ(Key,Vo)の声をさらに際立たせ、感傷的な空間に変化させた。「惑星」でもその雰囲気は継続され、サビにおける藤井の声の旋律は繊細に機能した。最後には再びサックスの音ががっつり合わさり、マキシマムな方向に戻って「Never Let You Go」を披露。会場をさらに大きくするのではないかと思ってしまうほどのパワーを発揮した。終了すると、裏拍のリズムを軸とする突き抜けたサウンドを存分に届けたOmoinotakeに大きな拍手が沸き起こった。

 最後に登場したのは、シンガーソングライター、Charm(チャーム)によるソロユニット、THE CHARM PARK。1曲目の「そら」から、アコースティックギターを手に、優雅な音色と声を響かせ、会場では自然と手拍子が沸き起こった。アレンジを加えた「Ordinary」を披露すると、「DON'T STOP」ではコール&レスポンスを何度も起こし、徐々に彼のステージはダンサブルなものに変化していく。「もう一曲だけ歌って、呑みに行きたいと思います(笑)」と茶目っ気たっぷりに言って最後に披露したのは「Imperfection」。喉を少し潰してしまっていたが、最後の大サビの前に「ダメでもいいから歌ってみましょうかね。もう潰すところまで潰してみます。ふぅ~」と言うと、喉の限りを尽くしたシャウトに近い歌声を披露した。THE CHARM PARKが繰り出す様々な音楽にオーディエンスは圧倒されつつ、今回のイベントは締めくくられた。

 出演者6組がそれぞれの異なる魅力を最大限に発揮した今回の【Spotify Early Noise Night #12 Osaka】。今日の出演者がこれからさらに飛躍する事を期待しつつ、また新たな才能が<Early Noise>から現れるのが楽しみになるような一夜となった。


Text by Akihiro Ota
Photo by 松本いづみ @mini12du


◎イベント情報
【Spotify Early Noise Night #12 Osaka】
2019年9月13日(金)
大阪・心斎橋 Music Club JANUS

≪セットリスト≫
<Kitri>
1. LIFE
2. 矛盾律
3. さよなら、涙目
4. 羅針鳥

<秋山黄色>
1. やさぐれカイドー
2. クラッカー・シャドー
3. 夕暮れに映して
4. 猿上がりシティーポップ

<Maica_n>
1. 秘密
2. Hanakoさん
3. タバコと私
4. Dance with me

<kiki vivi lily>
1. Rainbow Town
2. 80denier
3. AM 0:52
4. カフェイン中毒
5. Waste No Time
6. Copenhargen

<Omoinotake>
1. Hit It Up
2. Blanco
3. 惑星
4. Never Let You Go

<THE CHARM PARK>
1. そら
2. Ordinary
3. DON'T STOP
4. Imperfection

最終更新:9/20(金) 18:10
Billboard JAPAN

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