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ジョンソン英首相は「キャリアのためにEU離脱を選んだ」 元首相が自伝で批判

9/20(金) 13:00配信

BBC News

2016年にイギリスで欧州連合(EU)離脱の是非をめぐる国民投票を行ったデイヴィッド・キャメロン元首相が、現職のボリス・ジョンソン氏は国民投票当時、ブレグジット(イギリスのEU離脱)を信じていなかったものの、「自分の政治キャリアのために」離脱派として活動していたと語った。

この発言は、英日曜紙サンデー・タイムズに掲載されたキャメロン氏の自伝の抜粋によるもの。

自伝でキャメロン氏は、マイケル・ゴーヴ・ランカスター公領相については、ブレグジット党のナイジェル・ファラージ氏を支持する「口角泡を飛ばすファラージストだ」と批判。ジョンソン氏とゴーヴ氏こそ、「専門家を無用扱いして真実を捻じ曲げる、ポピュリズム(大衆主義)の親善大使」だと語った。

さらにゴーヴ氏については、「ひとつだけ、不忠という資質を持っている。まずは私に対して、その後はボリスに対してそうだった」と批判を重ねた。

キャメロン氏の自伝については14日にも抜粋が発表されており、ここでもジョンソン氏とゴーヴ氏について、国民投票で「ひどい」振る舞いだったと振り返っている。

キャメロン氏は2015年の総選で大勝した後、公約に従って国民投票を実施した。キャメロン氏自身はEU残留を支持したものの、結果は得票率52%でEU離脱が決定した。キャメロン氏は国民投票の直後に辞任している。

キャメロン氏の自伝によると、EU残留と離脱のどちらを支持するかを決める際、ジョンソン氏は自分にとって「最も有利な結果」は何かを気にしていた。

「離脱派は、愛国心とか独立とか国民主義的なロマンスを打ち出していて運動していた。それだけに、保守党幹部の誰がEU離脱派の主導権を握ったとしても、党の人気者になったはずだ」

「ボリスは、他の保守党の有名人(特にマイケル・ゴーヴ)に、その冠を譲るリスクはおかしたくなかったのだ」

「私が感じた結論としては、(ボリス・ジョンソン)は自分自身の政治キャリアのためになるという理由で、自分が信じていない結果に賭けたわけだ」

キャメロン氏はまた、ジョンソン氏は離脱派として活動する最中、ひそかに、EUとの再交渉後に2度目の国民投票を行う可能性にも言及していたと明かした。ジョンソン首相は、イギリスは10月31日に離脱しなくてはならないと、繰り返している。

キャメロン氏はさらに、選挙活動用のラッピングバスに、EUを離脱すればEUに毎週支払っている3億5000万ポンド(約485億円)が国民保健サービス(NHS)に入るという虚偽の情報を載せたことについて批判を展開した。

「ボリスはこのバスで全国を回ったが、真実は家に置いてきた」

■ゴーヴ氏やぺテル氏を批判

キャメロン政権時代から閣僚を続けているゴーヴ氏については、キャメロン氏は「自分の目が信じられなかった」と批判した。

「リベラルで思慮深い保守党の知識人だったはずのゴーヴは、口角泡を飛ばすファラージストとなり、(EUに残留すれば)トルコの全国民がイギリスに間もなく押し寄せると警告するような人物になってしまった」

ゴーヴ氏は国民投票に向けた活動中、トルコなど5カ国が2020年までにEUに加盟することになれば、イギリスの人口は2030年までに最大で523万人増えることになると主張していた。

しかし、キャメロン氏が最も「衝撃を受けた」のは、当時の雇用相で現内相のプリティ・パテル氏の言動だったという。

「彼女は自分が政権にいるのにもかかわらず、あらゆる発表や取材、演説で、政府の移民政策を叩き続けた」

「しかし、それで彼女を更迭したりすれば、まるでブレグジットの殉教者のようになってしまう。私は身動きがとれなかった」

BBCの報道番組「アンドリュー・マー・ショー」で、このキャメロン氏の批判について聞かれたパテル氏は、キャメロン政権で閣僚として働いたのは「名誉」だったと述べ、キャメロン氏と「一緒に働くのを楽しんでいた」と話した。

一方で、「国民投票があり、みんなが次の段階へ移った。そして今は、国民投票で負った責務を果たすために働いている」と述べた。

「過去を振り返っても仕方がない」

ジョンソン首相とゴーヴ氏は、キャメロン氏が自伝で展開した批判に対して反応していない。

英タイムズ紙でのインタビューでキャメロン氏は、2016年の国民投票の結果に「大きく落胆」しており、「私のことを絶対に許さないと思っている人がいる」ことも承知していると話した。

その一方で、国民投票の実施は正しい判断だったと自己弁護し、EUとの問題は「解決しなくてはならなかった」と述べている。

野党・自由民主党のジョー・スウィンソン党首は、キャメロン氏が国民投票を行ったことを許していないと話している。

党大会でスウィンソン氏は、国民投票はキャメロン氏の「衝撃的な判断ミス」だったと批判。キャメロン氏は「保守党の利益を国益より優先させた」と糾弾した。

■ハルクのように?  ハルク俳優が否定

ジョンソン首相はなお、10月17日までにEUと新たな協定を結べると期待していると話す。

一方、協定に合意できなかったとしても、イギリスは10月31日の離脱期限に、マーベル・コミックスに登場する「インクレディブル・ハルク」のように「手かせ足かせ」を破るだろうと話した。

「ハルクはどんなに堅く縛られていても常に逃げる。イギリスも同じだ。10月31日に(EUから)離脱し、達成する」

しかし、マーベル映画「アベンジャーズ」などでハルクを演じた米俳優のマーク・ラファロ氏はツイッターで、ジョンソン首相はハルクを動かす重要な原動力を見失っていると指摘した。

「ハルクは全体にとって良いことのためにしか戦わない。ボリス・ジョンソンは、それを忘れている。怒りにかられて力を振るうのは、愚かで破壊的なこともあり得る。ハルクが一番輝くのはチームと一体となった時で、ハルクが独りでいると大変なことになる。それに……ハルクにはいつもバナー博士がいて、科学と理性を示してくれる」

https://twitter.com/MarkRuffalo/status/1173273612075376641

■デイヴィッド・キャメロンはどんな首相だったか

キャメロン氏は2005年に保守党党首となり、5年後に首相となった。43歳での首相就任は、過去200年で最も若かった。

最初は自由民主党と連立を組み、後に単独与党となった6年間の在職中、キャメロン氏とジョージ・オズボーン財務相(当時)の目的は、赤字の削減と緊縮財政政策の導入で占められていた。

しかし、2015年の公約でEU離脱の是非を問う国民投票を行うと発表してから、キャメロン氏の目的意識も変わった。

キャメロン氏は翌2016年の選挙活動ではEU残留を支持した。国民投票で残留派が敗れると、辞任を表明。「この国を次の目的地に向かって舵を切る船長の役目を、自分が負うべきではないと思う」と演説した。

その後、ジョンソン氏は自伝の発表に至るまで、後任のテリーザ・メイ前首相やジョンソン首相についてコメントを控えてきた。

しかし、2歳年上のジョンソン氏とはイートン校からオックスフォード大学で一緒で、山谷ある関係が続いてきた。特に、オックスフォード大の上流階級や金持ち男子学生が集い、乱暴狼藉で悪名高い社交クラブ「ブリンドン・クラブ」に同時期に所属していたことは有名で、1987年の写真に一緒に写っている。

(英語記事 Johnson backed Leave to help career, says Cameron)

(c) BBC News

最終更新:9/20(金) 13:00
BBC News

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