ここから本文です

蒼井優、R15+問題作で体当たりの熱演「完結した感触はない」

9/21(土) 8:06配信

シネマトゥデイ

 バブル末期のキラキラ輝く日本に、泥くさい血・汗・涙を撒き散らし、世間から強烈な反感を買った新井英樹の漫画「宮本から君へ」。それから約30年を経てスクリーンに蘇った映画版は、やはりある意味で今の時代に中指を突きつけるような問題作となっている。池松壮亮演じるサラリーマン・宮本浩のパートナーである中野靖子として、時に宮本と闘い、時に併走した蒼井優は、「撮影中はできれば週6で休みにして欲しかったぐらいに疲れました(笑)」と怒濤の日々を回想する。

【動画】蒼井優が号泣演技『宮本から君へ』予告編

 本作は、2018年4月よりテレビ東京の深夜枠で放送された連続ドラマに続くエピソードとして、主人公・宮本と、彼の先輩・神保(松山ケンイチ)を介して出会った靖子を軸に展開。恋人同士になった2人の試練が描かれる撮影は熾烈を極めたが、蒼井にとって塚本晋也監督の時代劇映画『斬、』(2018)に続く共演となった池松との信頼関係が支えだった。「とにかくやるしかないという一心でしかなかったです。あそこまで疲弊した状態で映画を作った経験はなかったですし、舞台に近い感じでしたね。それでも何とか最後まで走りきれたのは、相手が池松君だったからこそで、いつもスイッチを入れてくれた。感謝しかないです」

 実際、本番中の撮影現場には池松と蒼井の怒号・罵声が飛び交っていた。住宅街のアパートを借りて屋内で撮っているにもかかわらず外まで声が響いてきたぐらいで、「よく警察が来なかったですよね」と苦笑まじりに振り返る。宮本が自分なりの信念を貫いて突っ走る本作を受けとめる上で、蒼井の演じた靖子の感情の流れに助けられる部分は計り知れない。

 「宮本の自己愛の話ですからね、極端に言うと(笑)。でもここまで自分を、自分の力だけで愛せる人は、逆に今は少ないんじゃないかと思うんです。周りからどう見られるか、周りに共感してもらえるかどうかということが自分を評価する主な基準になっていて、SNSの普及によってそれが数字で目に見えやすい世の中になっている。自分の中の基準を保ちづらい時代だからこそ、宮本みたいに生きられる人はなかなかいないと思います。そういう時代に育った若い世代の人たちが、この映画を観てどう感じるのかは、すごく興味がありますね。自分はここまで自分を愛せているのか? ということを突きつけられると思うので、意外と令和のヒーロー像になるかもしれないですし」

1/2ページ

最終更新:9/21(土) 8:06
シネマトゥデイ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事