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カリスマ演劇人・笈田ヨシ、独身生活86年「芝居を続けていると女に逃げられる」理由

9/21(土) 7:03配信

テレ朝POST

1968年に初めてパリへ旅立ってから51年。パリに住み、俳優として、演出家として、世界を舞台にして活動している笈田ヨシさん。これまでに芸術・文学の領域での創造、もしくはこれらのフランスや世界での普及に功績のあった人物に授与される「フランス芸術文化勲章」の「シュヴァリエ(騎士)、オフィシエ(将校)、コマンドゥール(騎士団長)」3等級すべてを受勲している“世界が認める”カリスマ演劇人。

近年は日本での活動も多く、10月にはBunkamuraシアターコクーンで市川海老蔵さんと共演する舞台『オイディプス』の公演と映画『駅までの道をおしえて』の公開も控えている。

◆仕事を抱えすぎてのパニックは「認知症防止」?

「去年から随分日本の仕事が多くなっていますけど、それこそこれまでは日本はめったにという感じでしたよ。ほとんど海外。ヨーロッパ各国で仕事をしていますから、別にフランスに限ったことではないんですけれども」

-お芝居やオペラの演出もされていますが、パリのご自宅でゆっくり過ごせるということはあまりないのでは?-

「50年間各国をウロチョロしていますからね(笑)。だから宿なしみたいに、いつも旅している感じですよ。日本に長くいるときにはアパートを借りていただいて、今もアパートに住んでいます。『オイディプス』の舞台があるのでね。1カ月間稽古で1カ月公演ですから、2カ月間アパートで暮らしています」

-色々な国での生活を50年間続けていらっしゃいますが、どんな感じなのでしょう?-

「『年もとってきたのに、トランク下げて動いて、俺はいつまでこうやってやるんだろう?』って(笑)。アパートに着くと、『こんなところにまた1カ月間いなくちゃいけないのか』って悲しくなるんですよね。

それで最初にやることは、行った町で日本食のレストランに行くんですよ。そして日本食を食べれば、気持ちが少しおさまるわけですよ。

それで3日ぐらい経つと、そこが自分の家だと思えるようになるんです。ありがたいことに適応性があるんですよ。でも、その反面、どこに行っても腰掛けみたいな感じですけど、大体われわれはこの世に生まれているのも腰掛けみたいなものですからね(笑)」

-オペラの演出もされていますね-

「僕は音楽を知らないのに、65歳のときに初めてオペラの演出をしてくれって言われてね。やったら次々と注文が来たので、それからもう20年間オペラの演出をやっています。

外国にいると、各国でいっぺんやったって、10カ所ぐらい回るわけだから、職場がたくさんある。日本だとそんなに職場がない。向こうだといっぱいあるわけですよ(笑)」

-世界を飛び回るだけでも大変なのに、舞台、映画の撮影、演出と色々されていてハードですね-

「時々こんがらがります。『俺たちはいったい何の話をしているんだ?』って(笑)。そういうときはとにかく目の前のことをひとつずつ処理していくということだけ。いつもパニック状態。だけどパニック状態というのは認知症防止のためには良いんじゃないかと思って(笑)。

だからパニック状態はありがたいと思っていますよ。『あれはどうしよう?これはどうしよう?』って(笑)。役者のときはパニックにならないんですよ。役者は良くても悪くても演出家の責任ですからね。ただ、演出の場合には、僕に責任があるからパニックになりますよ」

-海外ではどのように?-

「役者のときも演出のときも、自分がなかに入り込むことと、離れて見ることを同時に行わなければならない。ですから芝居をするときも、本番前にお客さんを呼んでやってみて、お客さんの顔ばかり見て、どこでお客さんが退屈をしたか判断するわけですよ。それをやらないとお客さんの目にならない。

だからウディ・アレンなんかも、一度つないでから友だちに見せて、また編集し直す。それがあったほうがいいんじゃないかなと思います。海外では僕もオペラ以外ではやっていますよ。

創作というのはそんなに簡単にできるものじゃない。『リア王』なんていうのは一つの作品を5年6年かかって完成するわけでしょう?日本のように4週間の稽古だけで上演するということは、海外ではないですね」

芝居を作るときには、どこまで今までの型をはずすかということが大事で、自分がやるのはいかにして今まで見たことのないものを作るかということが仕事だと思っているという。

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最終更新:9/21(土) 7:03
テレ朝POST

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