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移民流入ではなく「国民流出」が大問題へ、南・東ヨーロッパで加速する人口減少

9/21(土) 17:00配信

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少子化が進む日本で度々話題となる「合計特殊出生率」。女性1人が15~49歳の間に産む子供の平均数を示す指標だ。

日本では2017年に生まれた子供の数が94万人と2年連続の100万人割れとなり、合計特殊出生率は1.43と前年の1.44から低下した。

国が人口を維持するために必要な合計特殊出生率は、死亡率の低い国であれば2.1ほど、そうでない場合は2.5~3.3といわれている。

世界銀行によると、世界全体の平均合計特殊出生率は2016年時点で2.4。世界人口の維持に必要といわれる2.33を上回っており、世界全体では人口は増加傾向にある。

しかし、これはアフリカ諸国の高い出生率を反映したもので、欧州、北米、アジアなどでは概ね低下傾向となっている。たとえば、ニジェールの出生率は7.2と非常に高い。またソマリア6.3、コンゴ6.1、マリ6.1、チャド5.9などと多くのアフリカ諸国は3.0を上回っている状況だ。一方、アジアでは韓国が2018年に0.98を記録したほか、香港やシンガポールも1.2ほどと低い水準となっている。

出生率が低い国は、少子高齢化が進み自然と人口が減少していくことになる。人口減少は労働力の縮小につながることから、各国は出生率を改善するためにさまざまな取り組みを実施している。しかし、出生率が低い国において、状況が改善する兆しは見えていない。

こうした状況に追い打ちをかけるように、人口流出が加速し、人口減少問題がかつてないほどに悪化している国々が出てきている。

ルーマニア、ハンガリー、リトアニアなど南・東ヨーロッパの国々だ。また、この人口流出問題はスペイン、イタリア、ギリシャ、ポルトガルにも波及している。流入移民に対して厳しい目が向けられているフランスとは対称的に、これらの国々では人口流出が問題視されているのだ。

30年で20%近く減少した国も、低迷する出生率と加速する国民流出

他の地域に比べ欧州で移民流入や人口流出が問題視されやすいのは、欧州圏では人の移動が比較的自由であるからだと考えられる。

1985年のシェンゲン協定により、欧州の協定加盟国間の国境をパスポートなしで通過できるシェンゲン圏が誕生。2018年末には、欧州議会でブルガリアとルーマニアのシェンゲン協定加盟の是非を問う投票が行われ、協定加盟に半数以上の賛成票が投じられた。

ブルガリアとルーマニアが加盟すれば、欧州域内でシェンゲン圏に入っていないのはクロアチア、キプロス、英国、アイルランドの4カ国となる。

状況がもっとも深刻化している国の1つルーマニア。出生率は1.6と少子高齢化が進み、若年層の西ヨーロッパへの人口流出が激しく、この30年で人口は2300万人から1960万人と、300万以上減少した。現在の総人口の18%に相当する数がいなくなったことになる。

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最終更新:9/21(土) 17:00
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