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なぜ日本のAI業界は慢性的な人手不足なのか?

9/21(土) 19:44配信

ニュースイッチ

「AIメタ知識」が必要

 AIが社会に浸透するほど必要になってくる人材があります。その一つが、プログラミングやシステム開発をやっているITエンジニアを超えた「AIエンジニア」とも言うべき人材です。このAIエンジニアには、プログラムを書くだけではなく、AI導入プロジェクト全体をコーディネイトし、進捗を管理する能力が必要です。

 まず必要になるのがAIを使いこなす能力です。膨大な種類があるAIアルゴリズムのどれをどこに使えばいいのかという、「AIメタ知識」(AIそのものに関する知識ではなく、その使い方に関する知識)を持っていることが大きなポイントです。

腰を据えてAI技術を育てていこう

 AIエンジニアは、まさにAI時代に必要とされるSE(システムエンジニア)であり、一方でAIシステム開発全体のプロジェクト管理をすると言う意味で、SI(システムインテグレータ、「戦略立案・企画」「要件定義」「設計・開発」「運用・保守」をすべてやる人)なのです。

 現在、大手企業からベンチャー企業に至るまで、このAIエンジニア人材が強く求められています。しかし、好待遇の求人がたくさん出ているものの、なかなか良い人材が集まらず慢性的な人材不足となっています。

 それもそのはず、前から生息していたAIエンジニアたちは、直近の一五年にわたる「AI冬の時代」を生き残れず、淘汰され絶滅してしまったからです。一度、命脈を絶たれてしまった職種の人材を、事情が変わったからといって、いきなり探し出しても見つかるわけがありません。近視眼的な経営戦略が裏目に出た結果だと言えるでしょう。

 ただし、第3次AIブームを経験して、大手企業のAIに対する考え方にも変化が現れてきているように見えます。腰を据えてAI技術を育てていこうとする傾向が感じられるのです。

 またAIベンチャーやAIスタートアップの起業も相変わらず続いています。AIの将来、あるいは日本の将来を考えるとき、こうした傾向はかなり期待してよいのではないかと考えています。

山田 誠二(国立情報学研究所 教授 総合研究大学院大学教授 )

最終更新:9/21(土) 19:44
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