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ソウル五輪・女子柔道銅メダリストが教える「最新ルール」のメリットとデメリット

9/21(土) 17:10配信

TOKYO FM+

さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。9月14日(土)放送のテーマは「女子柔道」。今回は、筑波大学大学院准教授で1988年ソウルオリンピック銅メダリストの山口香さんに「柔道の最新ルール」について教えていただきました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2019年9月14日(土)放送より)

── 最近、柔道のルールが変わりました?

柔道はオリンピックごとにルールの見直しがおこなわれるのですが、2016年リオデジャネイロオリンピックの後に「有効」という判定がなくなりました。従来、一本を100点とすると、技ありは90~99点、そして有効は40~89点くらいの技というイメージだったんです。そして有効は何回やっても技あり1回に及びませんでした。

でも有効は範囲が広いので、88点の場合もあります。それを何回やっても90点の技あり1回に負けてしまうのは合理的ではないのでは……そんな声が多かったので、有効をやめて40~99点の技がすべて技ありになりました。つまり、技を掛けて、相手が倒れて、でも一本じゃないな……というときは全部技ありです。

── わかりやすいと言えばわかりやすいですね

でも技ありは2回で一本なので、40点の技あり2回で一本になってしまいます。これは私たちのように昔から柔道を見ている人間には、ちょっと軽いように感じてしまう部分もありますね。とはいえ、そこはそれぞれメリットとデメリットがあるので、必ずしも悪いことばかりではありません。

たとえば技ありを取られて追いかける立場になった選手は、昔のルールでは90点以上の技を決めなくてはいけないので、かなり厳しかったんです。でも40点の技で挽回できる今のルールなら、同点・逆転を目指して頑張ろうという気になれる。それがこのルールのメリットです。

── それは確かに競技としておもしろくなりそうです

それと同時に投げ技のポイントを高く見るために、指導というペナルティを得点としてみなさなくなりました。以前は技のポイントが同点なら指導のポイントが少ないほうが勝ちだったんですが、今はそうならず、延長戦に突入します。指導は「3回もらったら反則負け」というだけです。

このルールは「どちらかが投げるまで終わらない」ということなので、延長戦がすごく増えました。しかも延長戦は時間制限がないので、本来は4分の試合が8分、10分と続くこともあります。私たちも疲れ果てた選手を見ていて「水入りがあってもいいのでは」と思うくらいです(苦笑)。

そんなルールになって、選手の戦略も変わりました。今の選手たちは延長戦になることを想定しつつ戦いますし、延長戦でもう一度戦うぞという粘り強さのある選手が強いと言えるでしょう。そして投げないと勝てないこのルールにおいて、技術的に投げる技に優れている日本人選手は、世界とくらべて1~2歩リードしているとも言えます。

最終更新:9/21(土) 17:10
TOKYO FM+

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