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仮想通貨とブロックチェーンに立ちはだかる保護主義の壁──地域通貨の増加、地政学的リスク回避の動き

9/21(土) 8:00配信

CoinDesk Japan

ブロックチェーン技術が資産の管理や取引におけるここ数十年で最も革新的な発明であることに議論の余地はない。サトシ・ナカモトが論文「ビットコイン:P2P電子マネーシステム」でこのコンセプトを公表してから約10年、その応用は金融の枠にとどまらず、不動産、知的財産、難民支援、そして投票権など幅広い分野へ拡大を続けている。

一方、ビットコインを含む、後に仮想通貨と呼ばれるようになった仕組みについては、その正しい知識の啓蒙、そしてAML/CFT(マネーロンダリングやテロ資金利用への対策)・利用者保護・公正な取引への法整備が求められている。

ハッカーによるサイバー攻撃も多く、その革新的な素晴らしさに比例して課題も山積みで、「ブロックチェーンは重要だけど、仮想通貨はどうかな……」という声も耳にする。ブロックチェーン技術を活用した仮想通貨が金融経済のインフラとして我々の生活に定着するのはいったい何年先のことだろう。

金融経済インフラとして定着するまでの道のり

ブロックチェーンをインターネットに匹敵するイノベーションと評価する声は多い。インターネットの場合は、きっかけとなる通信プロトコル(TCP/IP)が標準化されたのが1982年で、世界の情報通信業界や学術組織に理解が広まるだけでも10年以上の期間を要した。

1993年におけるグローバルな情報通信におけるシェアは僅か1%に過ぎず、日常生活やビジネスで活用するアプリケーションが90年代後半に開発された後、2000年に51%、2007年に97%以上へと、まさに合計約25年もの歴史を経て不可欠な存在となった。

仮想通貨のコンセプトは誕生してまだ約10年、金融経済活動に不可欠なインフラとなるにはインターネットと同様にあと15年もの時を要するのだろうか。その頃ヴィタリック・ブテリン氏はまだ働き盛りの40歳だが、私は年金の受給をどの暗号通貨にするか悩んでいるかもしれない。いずれにしても技術革新は「水の低きに就くが如し」、多少の滞留や逆流はあれど、その広まりは止まらない。

順序としては、(1)正しい知識が広まり、(2)法が整備された後、(3)(インターネットの歴史における各種アプリケーションに相当する)実体経済に結びつきの強い仮想通貨が増えて初めて一般市民の利用が拡大すると思われる。日本を含む世界数カ国で現在(1)と(2)が同時進行中だが、その他の国ではまだその前段階だ。

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最終更新:9/21(土) 8:00
CoinDesk Japan

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