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【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】「タロウのバカ」 無垢の魂がたくましい

9/21(土) 7:40配信

沖縄タイムス

 そんなことが、この日本で?  本当にあるの?  と言いたい。でも映画が言わせてくれない。「これが現実なんだよ」「目をそらすんじゃないよ」と、追いかけてくる。フィクションのはずのに。

 平和な日本の片隅で、愛を知らず、学校へも通わず、野良犬のように暮らす少年・タロウが主人公。タロウの友達は2人の高校生。一般的に「良し」とされる高校生活から外れてしまったエージとスギオ。3人は、世間が決めた「幸せ」の枠組みの外で、自由をむさぼるように、縦横無尽に暴れる。気に入らない人間を殴り、腹がたてば叫び、欲しいものは奪い、走り、大爆笑する。でも、全然幸せそうに見えない。

 どんどん絶望の色が濃くなる物語の中において、唯一タロウがすがすがしい。どこの社会にも組み込まれたことのない、無垢(むく)の魂が、強くてたくましい。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇同劇場であすから上映予定

最終更新:9/21(土) 7:40
沖縄タイムス

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