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元ボクシング日本王者・ピューマ渡久地の今 てんかんで記憶障害、脳が損傷「完治は難しい」

9/22(日) 6:04配信

琉球新報

 ボクシングの元日本フライ級王者「ピューマ渡久地」こと渡久地隆人さん(49)=沖縄市=が、約10年間に及ぶてんかんの発作の影響で記憶障害を患っている。プロ引退後は東京にボクシングジムを開設したが、病気が悪化したため経営は元妻に任せて沖縄の実家に戻った。最近はてんかんの発作は治まりつつあるが、外出すると突然記憶がなくなり、帰宅できなくなることも。「早く病気を治して、ボクシングの後進育成に戻りたい」と渡久地さんは希望を捨てていない。
 ボクシングブームで沸いた1990年代、鬼塚勝也さん、辰吉丈一郎さんと共に「平成三羽がらす」と称された渡久地さん。だが、原因不明の右半身のしびれに悩まされ、99年10月の試合を最後にリングを降りた。今も右半身のまひがあり、障害者手帳を持つ。沖縄市の実家で父の政金さん(79)と静かに暮らす。

 7月1日、うるま市で事件を起こし、ボクシングファンを驚かせた。たばこを買いに出掛けた際、面識のない男性を殴ってけがを負わせた。傷害容疑で逮捕され、その後、起訴猶予で不起訴処分が下った。

 昔の記憶は鮮明だが、中短期の記憶がすっぽり抜け落ちる時がある。渡久地さんは事件について「何でこんなことをしたのか分からない。できることならば被害者に会って直接謝罪したい」とうなだれる。

 釈放後の8月末に「小脳が萎縮している」と診断を受けた。原因不明のてんかんの影響で脳が損傷した可能性があるという。医師から「完治は難しい」と説明された。

 政金さんは「隆人が急に1人で家を出ていなくなったことがある。やっと見つけたら道で倒れていた。2人で泣きながら抱き合った」と振り返る。

 外出の際、行方不明にならないよう、衛星利用測位システム(GPS)端末が入ったお守りを首に掛けるようになった。渡久地さんは自身の病に「原因はボクシングかもしれない。でもボクシングが好きだから離れる気はない。早く治してボクシングの世界に戻り、子どもたちにも会いたい」と話し、お守りの中に入れた3人の子どもたちと写した写真を見つめた。
 (梅田正覚)

琉球新報社

最終更新:9/23(月) 18:17
琉球新報

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