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早稲田大の“ハリセン”、富士大の“ヤーヤドー” 大学野球の「応援」に注目した同人誌がいぶし銀な面白さ

9/22(日) 12:00配信

ねとらぼ

 少し日差しが強いような気がして空を見上げたら、青空にうろこ雲が。秋がやってきましたね。食欲の秋、スポーツの秋といろんなことに挑戦したくなる季節。今回の同人誌は野球のご本です。でも自分が白球を追いかけるのではなく、白球を追いかける選手に注目するのでもない、野球を応援する人々に着目した同人誌です。

【画像】誌面試し読み(2枚)

今回紹介する同人誌

『学生野球応援解析ブックver.2019 oh 援団!』 B5 24ページ 表紙カラー・本文モノクロ
作者:蒼屋真澄

ストイックなまでに文章で応援をつづる

 作者さんの「大学野球の魅力を掘り下げる活動を」という思いから作られたこの同人誌。大学野球の試合を観戦したときの様子を中心に、各校の応援について文章で解析しています。学生さんの野球の応援というと、部員さんたちがユニフォームで応援したり、学ランの応援団、チアガールなどなどの盛り上がりが頭に浮かびますが、このご本では視覚的要素はほぼ無し! 24ページ中、表紙も込みで写真は4枚のみ。しかも遠目から全体を写したものだけ。ストイックなまでに文章で応援の解説がつづられます。

 応援にグッズを使っているか? 何人ぐらいか? といった誰もがぱっと目につきそうなところから、「吹奏楽も来ているがリードを取るのは応援団」「応援にオリジナルの楽曲がある」など、他を知り、各所に注意を払って見ていないと分からない部分をクローズアップしているのがさすがです。

 北から南まで全国の大学43校を取り上げ、「並びは総務省地方公共団体コード順にしました」と、きちんと体系を意識されているところも解析ブックらしいですね。1大学ごとの解説は大体300文字程度にまとまっており、決して長くはありません。けれどそこに応援に着目してきた人ならではの知見が詰まっています。

各地の応援の多彩さに注目

 さて、それでは実際の応援ってどんなかんじかしら? と読み進めると、チームごとの特徴が思っていた以上にあるんですね。

 岩手県の富士大の項目ではねぷた節を基にしている「ヤーヤドー」という応援が取り入れられているという郷土色についてや、スポーツニュースでも話題になる東京六大学野球では早稲田大のハリセンのこと、慶応義塾大は明治大学との試合にのみ銅鑼が出るなど、行っている人にはきっと有名な定番の情報もフォローされています。

 またキャンパスと球場の位置関係から応援の参加人数を推察してみたり、プロ野球やサッカーとの応援の共通点についてのコラムもあり、大学野球の応援というキーワードからさまざまな方向のことを考えていらっしゃるのが伺えます。

 そしてそんな作者さんの思いは、「応援団・吹奏楽団・チアリーディング部すべてがない」応援に遭遇したときの一言に集結されているような気がします。「応援はスタンド組の選手のみ。応援歌は高校野球そのものと寂しい限りだが、それはそれで味があるもの」と評されます。決して華やかとはいえないような応援にもあたたかな目線。そうですよね、応援団がたくさんいても、一人でも応援する気持ちは変わらないですよね。

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最終更新:9/22(日) 12:00
ねとらぼ

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