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中国に4000以上の「淘宝村」 ネット小売りで農村経済が激変

9/22(日) 22:36配信

東方新報

【東方新報】中国最大のeコマース「淘宝(タオバオ、Taobao)」が産業の中心となっている農村、通称「淘宝村」が急増している。このほど発表された「中国淘宝村研究報告(2009-2019)」によれば、この10年で3村から現在は4310村に増加している。eコマースが農村経済の在り方を目まぐるしく変えている。

 淘宝村・淘宝鎮と呼ばれる農村は、約2億5000万の人口をカバー。2018年の全国農村のネット小売り売上総額は1兆3700億元(約21兆円)で、前年比30.4%増。全国の淘宝村・淘宝鎮のネットショップの売り上げは、農村ネット小売りの売り上げの50%近くを占め、就業機会を683万以上増やしているという。

 ラン栽培で知られる福建省(Fujian)漳州市(Zhangzhou)は、淘宝の恩恵を受けた「淘宝鎮」の筆頭だ。 漳州市に属する龍海市(Longhai)百花村(Baihua)は花卉(かき)産業のeコマースで年商5000万元(約7億6000万円)以上を誇る。村民の花卉園芸経営者は「淘宝サイトの店だけで年商200万元(約3030万円)稼いでいる」と胸をはる。

 大学卒業生の就職難が問題になっている昨今、「淘宝モデル」は大卒生の農村創業の「優良土壌」としても注目されている。漳州市南靖県(Nanjing)山城鎮(Shancheng)出身の劉順理(Liu Shunli)さんは大学卒業後、故郷に帰り、父親や地元の花卉栽培業をまとめて、今や27人の従業員を抱え広大な花畑を経営するランのeコマース企業「青軒花卉」を起業。淘宝だけでなく、天猫(Tmall)、京東(JD.com)といった人気eコマースサイトに多くのネットショップを開設し、地元300世帯の農家にeコマース収入の道を開いた。

 農家と都会の消費者をeコマースによって直接つなぐことで、ウェブデザイン設計から宅配業を含む付随の産業も活性化し、新しい郷鎮村の発展の形を示している。山城鎮のネットのラン店はすでに2500店以上、2018年の売上総額の8億元(約122億円)のうち、ネット小売りは5億元(約76億円)に上るという。ネット小売りは宣伝動画やSNSともリンク、顧客に直接製造現場や商品を見せて品質をアピールできるのも強みだ。先にふれた「青軒花卉」のネット動画アカウントにはすでに10万人のフォロワーがつき、毎日1万回再生され、顧客のリピート購入率は57%という。

 福建省だけでも300以上の「淘宝村」があり、その数は全国第6位。同省竜岩市(Longyan)の黄屋村(Huangwu)では、この村の出身者で著名作家・北村(Beicun)さんが3年前にネットショップ「北村自然生活館」を開き、地元でおいしいと知られる「河田鶏」のほか、福建西部伝統の特産品のネット販売を開始した。北村さんは突然ネットショップを開いた理由を「郷愁」というが、「知名度のある人たちや知識のある青年たちがeコマースを使って、もっと農民にビジネス参入の道を開き、故郷を発展させる手伝いをすればいい」と語っている。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:9/22(日) 22:36
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