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世界に広がる少女の夢(9月23日)

9/23(月) 9:25配信

福島民報

 いわき市の鈴木姫花[ひめか]さんは豊間小三年生の時、楽しかった遠足の思い出を描いた。空は太陽で黄色に染まり、海の上をカモメが飛ぶ。子どもたちが、塩屋埼灯台の上から手を振る。作品は全国灯台絵画コンテストに入選した。

 四年生の修了を控えた八年前、海岸近くの祖母の家で津波にのまれ、亡くなった。父の貴[たかし]さんは「十年後の自分へ」と題した娘の作文を見つけ、デザイナーへの憧れを知る。絵をあしらったハンカチを売り出し、九千枚の浄財二百四十五万円を復興や災害遺児のために贈った。

 昨年一月から、米国ハワイ州の太平洋津波博物館にある本県コーナーに、震災の被害を伝える資料とともにハンカチが展示されている。博物館は家族の了承を得て、八月末から販売を始めた。多くの来館者が買い求める。館長は「施設のシンボルとして大切にする」と約束する。

 娘は天国で夢をかなえ、人の役に立つ。私たち夫婦はその手伝いをすることで、彼女が生きているように感じる-。両親が作品の解説パネルに思いを記す。命や震災の教訓、かけがえのないものを忘れないように祈る。少女の願いがこもった一枚は海を越え、世界の人々に渡る。

最終更新:9/23(月) 9:25
福島民報

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