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「お好み焼きは笑顔生む」 川崎夢見もんじゃ、メニューに

9/23(月) 14:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

 「食事は楽しいものだと伝えたい」と、川崎市幸区南加瀬で、お好み焼きやもんじゃ焼きのレストラン「ぽんぽこ本゜舗(ぽんぽ)」を運営する。そんな思いを抱く原点は、子どもの頃の出来事にあった。

 中学1年生の時、がんで母を亡くした。乳がん発症後、肝臓などに転移して入退院を繰り返した母。父は朝から晩まで働き詰めで、食卓に両親が並ぶことは少なかった。そんなときに、3歳上の姉と一緒に食べたのがお好み焼きだった。「自分で好きなようにアレンジして調理して。あの時は楽しかったな」と当時を懐かしむ。

 市立高津高校を卒業後、全国チェーンのお好み焼き店に就職した。同級生の7割が進学する中、「将来の独立も考え、個人店ではなく、企業としてお好み焼きを提供する店で修業したかった」と振り返る。

 全国チェーンで約17年間腕を磨き、8年前に念願の独立を果たした。店舗周辺は住宅が多く、家族連れの利用が多い。「学校関係の保護者や周辺の企業の宴会などでも利用してもらっている」。生まれ育った川崎に恩返しをと、地域密着を経営方針に掲げる。

 10日には、近隣住民や常連客向けに開店8周年を記念した「夏休みの自由研究教室」を無償で開催。親子連れら約20人が参加し、店内にある水、クエン酸、重曹で炭酸水を作る実験に取り組んだ。「お金をかけなくても十分楽しめます」。数年前、長男の夏休みの自由研究を手伝った際の楽しさを伝えたいとの思いからだった。

 地域の魅力を知ってもらうための企画にも力を注ぐ。キャベツを山盛りにした上で、めんたいこの詰まったもなかを上に載せて幻の城を再現した「川崎夢見もんじゃ」は、区内の加瀬山(夢見ケ崎)になぞらえたメニューだ。

 「見て学べ、焼いて楽しく、食べておいしい料理」を提供し続けている。鉄板と向き合い四半世紀。客が楽しそうに鉄板を囲んでいる姿を見るのが何よりの喜びという。

 「お好み焼きやもんじゃをわいわい囲むことで、食べる人たちの親睦にもなり笑顔が生まれる」。それはかつて、姉との食事で自身が体験したことでもあった。「食事の楽しさを感じてもらえるお店」を目標にさらなる高みを目指す。

 いわさき・やすし 川崎市多摩区出身。市立高津高卒業後、全国展開するお好み焼専門店「千房」に入社。約17年の修業の後、2011年に幸区でお好み焼レストラン「ぽんぽこ本゜舗」を開業して独立。「お好み焼きや鉄板焼きを通じて体験と思い出を提供するレストラン」を掲げる。同区在住。43歳。

神奈川新聞社

最終更新:9/24(火) 16:30
カナロコ by 神奈川新聞

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