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プラごみは「宝物」、輸入廃棄物で生計立てる貧困地区住民 インドネシア

9/23(月) 10:02配信

AFPBB News

(c)AFPBB News

【9月23日 AFP】金目の廃棄物を拾い集めて子どもたちの学費を捻出したと、クマンさん(52)は日焼けした顔に笑みを浮かべて話した。クマンさんの住むインドネシア・バングン(Bangun)では廃品集めが盛んで、住民の多くはその恩恵を受けている。

 各国が使い捨てのプラスチックごみ問題に取り組む中、バングンの人々にとってごみは現金に等しい。住民の約3分の2は廃棄されたペットボトル、プラスチックの包装やコップを拾って選別し、地元企業に売ることで何とか生計を立てている。

 クマンさんはAFPの取材に「3人の子どもがいる…全員が大学に行った」と、くるぶしまでごみに埋もれながら誇らしげに語った。「私が一生懸命ごみを拾い集めたおかげだ」

 バングンは、インドネシアで最も人口が多い島ジャワ(Java)に位置する貧困地区の一つ。住民たちは、米国、英国、ベルギー、中東などから送られてくる廃棄物から再利用できるものを拾い集めて売ることで生計を立てている。

 リサイクルごみの最大輸入国だった中国が今年、輸入禁止に踏み切ったことで、世界中のリサイクルごみ業者が混乱に陥り、大量の廃棄物が今度は東南アジアに送られるようになった。バングンでもそれ以来、ごみの量が増えている。

 国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)によるとインドネシアのプラスチックごみの輸入量はここ数年で急増しており、2017年後半は月1万トンだったものが、2018年後半には同3万5000トンにまで拡大。グリーンピースは、プラスチックごみの増加は環境と健康に甚大な被害をもたらすと警告している。

■ごみが屋根の高さまで

 1日最大40台のトラックがバングンにやって来て、住宅の外や広大な空き地にごみを捨てていく。ごみは山のように積まれ、時には屋根の高さにまで達することもある。

 住民らは熊手やスコップを持って素手でごみをあさる。安っぽい布製のマスクをしている住民も多い。

 バングンでは他の仕事はほとんどなく、地域の代表M・イクサン(M. Ikhsan)氏は、大々的に行われている廃棄物収集作業は地域の環境と住民の健康を危険にさらしているとの批判をはねつける。

■環境保護主義者と住民たちの考えは平行線

 しかし、環境保護主義者の見方は異なる。使い捨てプラスチックが夜間に燃やされ、町中に有毒ガスをまき散らし、マイクロプラスチックが水路に流れ込んでいると指摘する。

 インドネシアは中国に次いで世界2位の海洋汚染国で、2025年までに自国海域におけるプラスチックごみを約70%削減するという目標を掲げている。

 NGO「エクトン(Ecton)」の環境保護活動家で、ノーベル賞にも例えられる「ゴールドマン環境賞(Goldman Environmental Prize)」を受賞したプリギ・アリサンディ(Prigi Arisandi)氏は「(ごみの受け入れはインドネシアの)私たちにとって高くつく。医療制度の面でも、次世代のために環境をよみがえらせるにしても金がかかる」と指摘する。

 だが、バングン住民の考えは全く違うようだ。

 クマンさんは「ごみはここでは宝物だ」と話す。「なぜかって? 朝に乾かして選別すると、夕方にはお金になっているからだ」

 映像は7月22日撮影。(c)AFPBB News

最終更新:9/23(月) 10:02
AFPBB News

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