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日本は主権国家といえるのか? 米軍優位の日米地位協定・日米合同委員会と横田空域(17) 日本政府の対米従属ぶりを象徴 (吉田敏浩)

9/23(月) 11:40配信

アジアプレス・ネットワーク

◆密室の合意は「日米両政府を拘束する」巨大な力

これまで述べてきたように、米軍を特別扱いし、特権を認めることで、航空管制権や刑事裁判権といった主権の行使が秘密裏に侵害され、独立国、主権国家としてあるまじき事態が、長年にわたって続いている。

【関連写真を見る】日本は主権国家といえるのか?(8枚)

こうした日米合同委員会の密約の全貌は明らかではないが、相当な数に上るはずだ。

しかも、驚くべきことに日米合同委員会の密室の合意は、「日米両政府を拘束する」巨大な効力を持つとされている。

私が独自のルートで入手した在日米軍司令部の内部文書、「JOINT COMMITTEE AND SUBCOMMITTEES」(「合同委員会と分科委員会」2002年)には、日米合同委員会の日米双方の代表はそれぞれの「政府を代表する」とあり、「合同委員会での合意は日米両政府を拘束する」と明記されているのだ。

同じように、外務省機密文書『日米地位協定の考え方・増補版』にも、日米合同委員会の合意は「いわば実施細則として日米両政府を拘束するものと解される」と明記されている。

しかし、日米合同委員会を設置した法的根拠の日米地位協定第25条には、日米合同委員会は、地位協定の実施に関して「協議を必要とするすべての事項に関する日本国政府と合衆国政府との間の協議機関」と定められている。

「合同委員会の合意事項は、いわば実施細則として、日米両政府を拘束する」などとは、ひと言も書かれていない。
もちろんそれは国会で承認された解釈でもない。

ただ日米合同委員会の密室でそう解釈して、合意しただけなのである。
それ自体が密約といえる。

それにしても、こんなおかしなことはない。

憲法にもとづく国権の最高機関である国会のチェックも、主権者である国民・市民の目も届かない密室での、ごく一部の高級官僚と在日米軍高官の合意が、法的定義も不確かな「いわば実施細則」として、合意文書も秘密にされたままで、「日米両政府を拘束する」巨大な力を持つというのだ。

ただ、米軍のほうは地位協定により基地の「排他的管理権」、フリーハンドの軍事活動の特権を得ている。
だから軍事上の必要に応じて、日米合同委員会の合意に拘束されずに動くのが実態だ。

このように日米合同委員会の正体は、米軍が日本の高級官僚との密室協議の仕組みを利用して、占領時代からの特権を維持し、変化する時代状況に応じて新たな特権を確保してゆくための「政治的装置」といえる。

「いわば実施細則」の合意に日本法令を超えて「日米両政府を拘束する」効力を持たせる仕掛けも、そのためだ。

米軍優位の不平等な地位協定の構造を裏側から支える仕組みであり、日本政府の対米従属ぶりを象徴している。   (つづく)

*関連図書
『「日米合同委員会」の研究』謎の権力構造の正体に迫る(創元社)吉田敏浩 2016年
『横田空域』日米合同委員会でつくられた空の壁(角川新書)吉田敏浩 2019年
『日米戦争同盟』従米構造の真実と日米合同委員会(河出書房新社)吉田敏浩 2019年

最終更新:10/10(木) 17:30
アジアプレス・ネットワーク

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