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なぜ渋野日向子は8打差逆転の奇跡V&賞金1億円突破を果たせたのか?

9/23(月) 5:00配信

THE PAGE

 当日の天気予報は台風17号の影響で午後からは荒天となっていた。それを見越しての早いスタート設定だったが、その恩恵を受けたのは渋野ら早いスタートの組だけ。強風に悩まされた最終組は、勝負どころの後半インで誰もスコアを伸ばすことができなかった。特に申ジエは予選ラウンドの2日間、14番(パー4)から最終18番(パー4)までの終盤5ホールで計9バーディーを奪っていたが、最終日は1ボギー。悔しさなど負の感情を滅多に表に出さない人格者の目はホールアウト後、涙で潤んでいた。

 ゴルフは自然と共存しなければならないスポーツとはいえ後続には不運としか言いようがない天候の変化だった。厳しい風雨を覚悟していた渋野は、「まさか雨が降らないとか、まさか朝のうちは風が吹かないとか、そういう幸運もあったと思う」と信じられない様子で話した。まさに神の子。プロスポーツの世界には、いわゆる「持っている」という人物がトップの座をつかむが、ゴルフをするために生まれたような天運が渋野にはあるのかもしれない。いや、貪欲な向上心と、日々の努力があるからこその天運である。

 16番(パー3)では結果的に優勝を決定づけるラフからのチップインバーディーを奪った。前週の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」では深いラフに行く手を阻まれた。第2ラウンドには連続オーバーパーなしラウンドのツアー記録も29でストップ。「先週はもったいないのが多すぎた。でも、そのおかげで今週はアプローチを寄せてパーを拾うことができた。全部拾えたのは本当によかった」。前週のミスは今週の優勝につながる隠し味。失敗から学び、練習することを苦にしない渋野は強かった。

 生涯、年間ともに獲得賞金は1億円を突破した。ツアー本格参戦1年目の日本選手では、2004年の宮里藍以来2人目。所要24試合で生涯獲得賞金が1億円を超えたのは、先週の「日本女子プロ選手権」を制した畑岡奈紗の17試合に次いで、日本選手では史上2番目のスピード達成ともなった。

 「今年は自分でも予想していない結果ばかりなので、なかなかついていけない。全英が終わってからはいろいろ葛藤もあったけど、今週は初日に自分らしさを久しぶりに出せた。そういう週に勝てたことがうれしい」
 
 全英以来の優勝を果たし、やっと一つのプレッシャーから解放された。その殻を自らの力で破ることができるのも渋野の強さだ。国内3勝目、全英の1勝も含めてすべて海外勢との優勝争いを制してきた。これまでの日本選手にはなかった勝ちパターン。スマイル・シンデレラはまだまだ強くなる。次戦は27日から宮城・利府で行われる「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」に出場する。

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最終更新:9/24(火) 18:21
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