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リマック EVメーカーとしての未来と過去 グランドツアーでの事故

9/23(月) 11:45配信

AUTOCAR JAPAN

ザグレブの郊外を拠点にするリマック社

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

リマック社はクロアチアを拠点にする。世界最高の砂浜を持つ国としても知られているが、自動車産業はとても小規模だ。リマック社のCEOが生まれたのはフェラーリF40が発売された後。派手なグリーンに塗られたE30型BMW 3シリーズでレースを楽しだ人物はいま、電気を動力源とする未来の自動車、EVの開発に注力している。

【写真】リマック社に潜入 (34枚)

工場があるのは、クロアチアの首都、ザグレブの郊外。グーグル・マップに指定された工業団地は、間違っているのではないかと思うほど雑草が伸び放題。グッドウッド・フェスティバルに登場するマシンのイメージとは程遠いものだった。

しかし工業団地の奥に進むと、雰囲気は一気に現代的になり、「R」の旗が風になびくのが見えてくる。本社ビルのガラス張りのファサードは自動車の写真で飾られ、ロータス社のような、特別な雰囲気を漂わせている。

駐車場に止まっているのは無彩色のオペルやフォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツなどではなく、派手なホイールを履いたイエローやグリーンのクルマ。充電ケーブルの繋がれた数台のテスラが、リマック社の実態を匂わせる。

リマック社の敷地の周囲には1台のリマックも見当たらない。よくある、同じクルマが無数に並ぶ自動車工場のイメージとは異なる。2016年にリマックが1台目を生産して以来、これまでに誕生した完成車の数はわずか5台。まだ7~8カ月に1台程度の生産ボリュームなのだ。

述べ8台の製造を目指すコンセプト・ワン

コンセプト・ワンは合計で8台の生産を計画しており、残り3台分のボディパネルが組み立てを待っている。2シーターのスーパーカーで、バッテリーは床下に配置。駆動用モーターはタイヤそれぞれに、4基が搭載されている。タイヤや汎用的なコンポーネントは供給を受けているが、エアコンユニットやライト、バンパーなど、ほとんどのパーツは社内で製造している。

この洗練されたスーパーカーは1200psを超える。リマック社の創業者、マアテイ・リマックは、「クルマ好きが作るEV」と、コンセプト・ワンを説明する。身重の高い彼に合わせて、ヘッドスペースには余裕がある。また愛国者の彼らしく、ボディサイドのエアインテークに続くラインは、ネクタイの形状を模している。実はクロアチア軍によって発明されたファッションなのだという。

リマック社はハイパーカー業界にさらなる衝撃を与える、Cツーを計画している。2シーターのEVだが、コンセプト・ワンとは意味合いが異なる。「コンセプト・ワンは研究プロジェクトのようなものでした。Cツーは、数年先を照らす光です」 とリマック社のマーケティング・チーフ、マルタ・ロンジンは説明する。

Cツーの最高出力は1915ps。EVとして異次元のパフォーマンスを備え、0-100km/h加速は1.97秒。最高速度は415.2km/hに届く。量産車として最大級のシングルピースのカーボンファイバー製ボディには、アクティブ・エアロを装備。WLTPテストでの航続距離は550kmに及ぶ。

生産計画は1カ月に3台で、4年間で合計150台が製造されるが、ハイパーカー基準で見ても少量だ。ただしリマック社は自動車製造だけで成り立っているわけではない。「他社が興味を持つような電動化技術や製品、スマートビークルなどを開発しています。クルマは、われわれができる技術を示すショーケースなのです」

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最終更新:9/23(月) 14:25
AUTOCAR JAPAN

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