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飼い主さんの愛情も長生きの秘訣…慢性腎不全を抱えながら頑張る18歳の猫・ぷーちゃん

9/23(月) 11:35配信

まいどなニュース

いまや空前の猫ブームですね。私の周りの、これまで猫を飼ったことのない友人知人も、どんどん猫の魔力に操られて、気づけば猫の下僕になっている(猫の飼い主になっているのではなく、猫の召使になっている)昨今です。

【写真】イクメン・ぷーちゃんが育てた子猫はこんなに大きくなりました

猫は、一般的に犬よりも長生きで、20歳以上の猫もみかけます。そして、癌などの致死的な病気にかからなければ、最期は慢性腎臓病(慢性間質性腎炎)から慢性腎不全に進行して亡くなることが多いです。長生きした猫は、必ずと言ってよいほどに、慢性腎不全にかかるのです。

白黒のオス猫ぷーちゃん(推定18歳)も慢性腎不全です。体重は激減して、もはや治る見込みは残念ながらありません。

17年前のある冬の夜、Aさんのお父さんが帰宅して自宅玄関の扉を開けたところ、勝手に家に入りこんできたのがぷーちゃんでした。どうやら、駅から家まで歩くお父さんの後を付けて来たようでした。

『あんたどこの子や~?』とAさんが話しかけたところ、馴れ馴れしく膝に乗ってきてすごく甘えてきました。ぷーちゃんはその時すでに成猫で、しかも口臭がきつく鼻水は膿っぽくて、鼻から目の周りまでグシュグシュ、全身も薄汚れていて、お世辞にもかわいいとは言えない猫でした。

Aさんのお宅にはすでに猫が2匹いましたのでぷーちゃんは飼えないなと思い、その夜はぷーちゃんを追い出しました。しかし、次の日も次の日も…ぷーちゃんはずっと家の玄関が開くのを待ち伏せしていました。そしてついに、Aさんが根負けして飼うことになりました。

翌日、動物病院で検査してもらい、ぷーちゃんは猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)であることがわかりました。それでも、Aさんは家の子として迎え入れました。

ぷーちゃんは人を怖がることは全くなく、博愛主義の猫でした。 その後、Aさんの家にさらに子猫を迎え入れた時には、ぷーちゃんはオスなのにお乳をあげるふりをしたり、せっせと毛繕いをしたりするイクメンぶりでした。

ぷーちゃんは、たいした病気もせずに長生きをした…という訳ではありませんでした。出会った時からこれまでずっと、慢性鼻炎を患い、口内炎と歯周病も酷かったため、数年前には麻酔をかけて歯を全部抜きました。胸のレントゲンを撮ると、肺に腫瘍を疑う影もあります。

10歳を超えたころから、血液検査をすると腎臓や肝臓の数値は高めでした。それでもなんとか、17年以上生きてきました。猫エイズも陽性でしたが、明らかに発症している様子はありません。飼い主さんの愛情も、長生きの秘訣なのですね、きっと。

でも、生き物はいつか必ず死ぬのです。ぷーちゃんにも、近々お迎えがやってきそうです。

Aさんはこれまで何匹も猫を飼ってきましたが、ぷーちゃんが一番長生きで一緒にいる時間が長く思い出も多いので、とても辛いとおっしゃいました。

ぷーちゃんは今日も頑張っています。食事は食べたり食べなかったりです。Aさんが、毎日自宅でぷーちゃんに皮下点滴をしています。体重は激減して肢の筋肉が落ちてしまったため、ふらつきながら歩いています。ぷーちゃんの残された時間は、ぷーちゃんとAさんと…おこがましいのですが、私とで…過ごしていきたいと思っています。

   ◇   ◇

ぷーちゃんは、9月26日の未明に亡くなりました。飼い主さんより、「みなさんの応援がとても心強くて励みになりました。ぷうにも読み聞かせました。してやれる事は全部できましたし、後悔はありません。本当にありがとうございました」とのご連絡をいただきました。

(獣医師・小宮 みぎわ)

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最終更新:9/26(木) 15:59
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