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米エミー賞でイギリス勢が多数受賞 「フリーバッグ」が最優秀コメディ

9/23(月) 18:04配信

BBC News

アメリカで放送・配信された優秀作品に与えられる米エミー賞の授賞式が22日、ロサンゼルスであり、BBCドラマ「フリーバッグ」で主演・脚本を担当したフィービー・ウォラー=ブリッジや、BBCアメリカ製作のスリラー「キリング・イヴ」の主演ジョウディー・コウマー、政治ドラマ「英国スキャンダル」出演のベン・ウィショーなど、イギリス勢が次々と主要部門で受賞した。

最優秀ドラマ・シリーズは、8シーズンで完結した「ゲーム・オブ・スローンズ」が受賞した。

コメディ・ドラマ「フリーバッグ」は、ロンドンに住む30代独身女性の生活を時に温かく、時に皮肉に、そして時に情け容赦なく描き、英米で大きな話題となった。この日は、最優秀コメディ主演女優、最優秀コメディ・シリーズ、最優秀コメディ脚本など6部門で受賞した。「フリーバッグ(fleabag)」は「のみだらけ、汚らしい」という意味。シリーズでは主演の女性がそう呼ばれる。劇中で名前は使われない。

自作の舞台劇からテレビ・シリーズを作り、脚本を担当して主演したウォラー=ブリッジは、「汚らしくて変で、いつも怒っていて、中身ぐちゃぐちゃな女が、エミーまでたどりつくなんて、素晴らしいし安心します」と笑った。

また、そもそも1人芝居として始まった「フリーバッグ」を作り出したのは、こうして賞を受賞したかったからだと冗談を飛ばし、「何かを書くのは本当に大変で本当につらいのだけど、心の底から本心だけど、なぜ書くのかというとこのためです」と、手にしたエミー像を持ち上げた。

「なのでやった甲斐があったよ、みんな。本当にありがとう」とウォラー=ブリッジは受賞スピーチを締めくくった。

■「ホットな神父」

授賞式で4度目に壇上に上がった際、ウォラー=ブリッジは「ちょっと、なにふざけてるのって感じになってきた!」、「フリーバッグは2014年にエジンバラ演劇祭の1人芝居として始まったものです。それがここまで来るなんて、まったく頭おかしいし」と笑った。

第2シリーズで登場して話題をさらった、アンドリュー・スコット演じる「ホットな神父」については、「アンドリュー・スコットがいなかったら、第2シーズンはあれほど爆発しなかった。彼は私たちの『フリーバッグ』の世界につむじ風みたいに入ってきて、あまりに深くて複雑な演技をしてくれたおかげで、全体がレベルアップした」と感謝した。

シリーズのハリー・ブラッドビア監督は、コメディ・シリーズの監督賞を受賞。「監督にとっては、『フリーバッグ』のような作品は一生に一度だ。フィービー、私の人生に何か極上の手榴弾(しゅりゅうだん)みたいにして入り込んでくれて、ありがとう。こんなに才能あふれる人がどうしてそんなにまったく素敵なのか、科学者はその原因をつきとめようとしている」とスピーチした。

「フリーバッグ」の第2シリーズは今年初めにBBCで放送された後、アマゾン・ビデオで世界各国で配信されている。

コメディ部門の主演女優賞では、米政治コメディー「VEEP」で過去6回受賞しているジュリア・ルイス=ドレイファスが最終シーズンでも受賞するものとみられていただけに、エミー賞では新顔のウォラー=ブリッジの受賞は大方の予想外だった。

「キリング・イヴ」で冷徹な暗殺者ヴィラネルを演じるコウマーは、名前が呼ばれると共演者のサンドラ・オウと客席でしっかり抱き合った後、ステージに上がった。

「今日は壇上に上がらないと思っていました」と述べ、だから家族を呼び寄せていないのだと話した。さらに、ほかの候補者たちをたたえ、「自分がこの人たちと同じカテゴリーにいるのが信じられません。その1人は共演者のサンドラ・オウです。サンドラ、この『キリング・イヴ』の旅路はまるでつむじ風で、あなたとずっと一緒に経験できて本当に幸運です」と共演者に感謝した。

ほかにもイギリスからは、1960年代の英政界で実際に起きた下院議員と同性愛関係にあった男性とのスキャンダルを描いた「英国スキャンダル」で、下院議員と対立する若者を演じたベン・ウィショーが、ミニシリーズ部門で助演男優賞に選ばれた。

また、トークショー部門でもイギリス出身のコメディアン、ジョン・オリヴァーが司会者として受賞した。

ネットフリックス配信の近未来ディストピア・オムニバス「ブラック・ミラー」のエピソード「バンダースナッチ」が、最優秀テレビ映画賞を受賞。視聴者が次の展開を選ぶことができるという画期的な作品を作り出した、製作者のチャーリー・ブルッカーは、受賞スピーチで子供2人に感謝し、「もう二度とゲーム時間を制限できないね」とあいさつした。

「そんなことしたら、自分はひどい偽善者だ。(テレビゲームは)こうやって成功につながることもあるんだから」

イギリス勢のほかには、8シーズンの放送を終えて完結した「ゲーム・オブ・スローンズ」が最優秀ドラマに選ばれたほか、ピーター・ディンクレイジがドラマシリーズの最優秀助演男優賞に選ばれるなど、計12部門で受賞した。同シリーズはエミー賞の歴史で、過去最多のノミネートと受賞記録を確立している。

1980年代や1990年代のニューヨークを舞台に様々な少数者を描くドラマ「POSE」からは、ビリー・ポーターがドラマ・シリーズの主演男優賞を受賞。同性愛者だと公表している黒人男性が同部門で受賞するのは初めてだった。

ミニシリーズ部門では、1986年のチェルノブイリ原発事故を描いた「チェルノブイリ」が最優秀作品、脚本、監督賞を受賞した。

エミー賞は、米テレビ芸術科学アカデミーの会員2万5000人以上が投票して決める。「エミー」という名前は、初期のテレビカメラで使われた「イメージ・オルシコン・キャメラ・チューブ」を意味する略称「イミー」に由来する。

(英語記事 Emmy Awards 2019: Fleabag and Game of Thrones among major winners)

(c) BBC News

最終更新:9/23(月) 18:04
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