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消費増税で非課税の取引まで値上げになることも…価格転嫁のしくみを説明します

9/24(火) 19:05配信

マネーの達人

非課税売上に対する「損税」分を転嫁
顧客から消費税を預かる一般の事業者について、例えば下記のように売上を得て経費が掛かっているとします。利益水準は増税前後も変わらないものとします(実際には消費・投資意欲の減退が悪影響を与えるので、消費増税が問題視されるわけですが…)。

上記に対する事業者の消費税納税額は、売上で預かった分全部(8万円や10万円)ではなく、預かった分から経費に掛かった分の差し引きです。経費に掛かった分を税額控除として差し引けるのは、消費税の負担者は最終消費者であり事業者ではないからです。

増税により納税額は、4.8万円から6万円に上昇します。ただ本体価格の差し引き(利益)は、60万円と変化しません。

それでは非課税売上100万円で経費の本体価格40万円の場合には、消費税や利益はどうなるでしょうか? まず事業者として納める消費税は無いのですが、支払った消費税(控除対象外消費税)が経費の一部となります。

このため経費が43.2万円から44万円に上昇し、景況感ではなく制度そのものが原因で利益が悪化してしまうのです。また本来事業者は消費税を負担しないのに、負担していることにもなってしまいます。

このため、経費にかかる控除対象外消費税を「損税」と呼ぶことがあります。医療機関の損税は、政府内や国会でも問題になりましたし、医療機関の経営に悪影響を与えないよう診療報酬を上げることで対応しました。

輸出(免税取引)と非課税取引との違い

輸出を行う大企業優遇に批判的な意味合いで、「輸出戻し税」や「輸出補助金」とも言われる消費税還付の制度があります。

具体的には輸出売上に対する仕入・経費の消費税は、消費税申告を行うことで還付されます。この制度を使えば損税どころか還付金がもらえるはずなのですが、輸出売上は免税であって非課税ではありません。輸出売上は、相手国で消費税(付加価値税)がかかることがあります。

非課税売上に対する仕入・経費の消費税に関しても、輸出のケースと同様に還付の対象にしてほしいという医療業界の要望はあります。しかし政府側は10%増税にあたっても還付を認めず、診療報酬を上げることで問題解決をはかることにしました。

値上げの予定は個別に確認を

価格は、各事業者が決めるものです。このため消費増税によって非課税の取引でも値上げするものが出てきたり、逆に課税の取引でも据え置き(税抜価格の値下げ)になったりするものもあります。

10月以降出費を予定しているものは、たとえ非課税であっても値上げになるものが無いかは、個別に確認しておいたほうがいいと思います。(執筆者:石谷 彰彦)

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最終更新:9/24(火) 19:05
マネーの達人

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