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プレ金の成功例? 岐阜の神社で5000人が行列をつくる理由

9/25(水) 8:00配信

ITmedia ビジネスオンライン

 毎月最終金曜日、神社やお寺に約5000人が詰めかける――。岐阜市で見られるようになった光景だ。

【岐阜の神社や寺でもらえる「金の御朱印」】

 月末の金曜といえば、早帰りと個人消費喚起を促す「プレミアムフライデー」があるが、岐阜には地域独自の取り組みがある。それは「プレミアム金(こがね)デー」と呼ばれている。

 岐阜の“プレ金”はどのような日なのか。岐阜市とその周辺にある神社やお寺、約10カ所で「金の御朱印」がもらえる日だという。2017年5月にこの取り組みが始まると、御朱印を集める人たちだけでなく、“金運アップ”を願う人たちの心をつかんでいき、今では毎月たくさんの人が御朱印待ちの列をつくる。

 なぜ「金の御朱印」に地域で取り組んでいるのだろうか。プレミアム金デー当日、開催地の一つである、岐阜市内の「金(こがね)神社」に向かった。

最長5時間待ち 月1回の「金の御朱印」を始めたきっかけ

 8月30日金曜日。この日は朝から雨が降っていたが、次々と神社の敷地内に車が入ってくる。社務所の窓口を起点として、朝から行列ができていた。社務所の中では、金色の文字で神社名を書いたり、はんこを押したり、出来上がった御朱印を整理番号順に渡したりと、手分けして作業が進められている。

 「今日は雨が強くなる予報なので、(行列は)いつもの半分くらいですね」。そう話すのは、岐阜市でイベント企画などを手掛けるまちづくり団体「ひとひとの会」代表の佐藤徳昭さん。同団体がこの取り組みの仕掛け人だ。

 なぜ、この取り組みでは“金色”にスポットを当てているのか。それは、岐阜には「黄金」にまつわる場所が多いからだ。

 JR岐阜駅前の広場には、「岐阜」を命名し、本拠地としていた織田信長の黄金の像がある。また、“金”という名を持つ金神社には、黄金に塗られた大鳥居がある。そして、頂上に岐阜城が建つ「金華山」には、毎年5月ごろに黄色の花が咲くツブラジイの木が多く、“黄金に輝く山”として、その名前の由来になったという。

 こういったことに着目したひとひとの会が、岐阜の「黄金」を巡る観光ツアーを企画。その一環として、金神社に「金の御朱印を書いてほしい」と話を持ち掛けたのが始まりだ。ツアーで提供した金の御朱印がSNSで話題になり、問い合わせが殺到。ツアーの後も、続けて取り組んでいくことになった。

 ただ、常に金の御朱印を提供するわけでなく、“プレミア感”を出すために月1回限定に。17年2月に政府の呼びかけで始まったプレミアムフライデーにちなんで、「プレミアム金デー」と命名した。

 当初はSNSなどで告知し、「1日100人ぐらいが来ていた」(佐藤さん)。月を追うごとにその人数は増えていき、金神社は対応するための分業体制や整理番号制を構築。受け入れる体制が整ったころに新聞やテレビに取り上げられ、一気に注目を浴びた。「新聞に載った後は県外から来る人も増えて、(1日)700~800人に。テレビで取り上げられた後は、1500~2000人が大行列をつくり、5時間待ちになりました」(同)。平日の昼とは思えないような盛況ぶりだったという。

 佐藤さんらは岐阜信長神社(岐阜市)など他の神社や寺にも声をかけ、規模の拡大を目指した。金神社で参拝者が急増したことから、「やりたい」という声も上がるようになり、取り組みは広がっている。19年7月には、8カ所で計5300枚の金の御朱印を提供。8月には授与場所が10カ所に増えた。9月はさらに1カ所増え、11カ所になる。

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最終更新:9/25(水) 8:00
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