ここから本文です

「薬機法」がある日本はモバイルヘルスの普及が遅れている

9/27(金) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【中高年でもできるマイ健康管理アプリ】#9

 連携サービスはITの世界で、もっとも注目を集めている分野のひとつです。たとえばZapierという有料の連携サービスは、条件式を組み込んで複数のアプリやWebサービスを、何段階にもわたってつなぐことができます。血圧が130を超えたら警告を発し、160を超えたら主治医にメールを出すといったことを簡単に実現できるのです。

 ただし日本には「薬機法」という厳しい制約があるため、モバイルヘルスの普及が遅れ気味になっています。

 たとえばIFTTTに対応している血圧計は、いまのところNOKIA/Withingsなどの製品に限られていますが、日本国内では販売されていません。日本では血圧計は医療機器として薬機法で規制されているので、許可なく販売することはできないのです。

 そこでアマゾンのアメリカサイトを使って注文したところ「この商品は日本には輸出できません」というメッセージが返ってきました。もちろん海外に行った個人が買ってくるのは自由ですから、国内にも多少は入ってきています。メルカリなどで出品されていることもあります。

 医療機器を日本で売るためには、厚労省に正式な申請を行い、面倒な審査と手続きをクリアする必要があるため、それが障壁となって海外の便利なグッズが入ってこないのです。わざわざ時間と金を使ってまで、薬機法を通そうという企業は少数派です。

 心電計機能(もちろん医療機器に該当)が付いた「アップルウォッチ」も、同様の理由で国内では販売されていません。「アップルウォッチ」のおかげで急性心筋梗塞がすぐに分かって命が助かったという例が、海外では何例も報告されています。しかし我々は、今のところその恩恵にあずかれません。今年になってオムロン(言うまでもなく日本企業)が、血圧計付きスマートウオッチを海外で発売しました。

 ところが薬機法の申請に手間取っているためか、まだ国内では発売に至っていません。

 とはいえモバイルヘルスもWeb連携も、いまや世界的な潮流です。我々としては、むしろ国内が足踏みしているいまのうちに、将来の規制緩和を見越して準備しておくのが得策でしょう。

(永田宏/長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授)

最終更新:9/27(金) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事