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ナイトシティの二大組織はどのようにサイバーパンク世界で暗躍しているのか。原典から読み解く『サイバーパンク2077』(ギャング編)

9/28(土) 18:00配信

Game Spark

キアヌ・リーヴスの登場で東京ゲームショウでも大いに盛り上がった『サイバーパンク2077』。会場での実機デモの内容は、ギャング同士の抗争を主人公Vがどのように解決していくかというもの。2018年公開のプレイデモにおいてもギャング組織と交渉が主たるストーリーでしたので、『サイバーパンク2077』の世界ではギャングが非常に重要な位置を占めていることがわかります。

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本記事ではここまで明らかになっている本作のギャング組織とその主要人物たち、そして原作「サイバーパンク2.0.2.0」におけるこれらのギャングたちを紹介していきます。

※本記事では、CD Project RED公式より公開された「サイバーパンク2077 ― 2019 ディープダイブビデオ」の内容に触れています。

頭脳派ギャング「ヴードゥー・ボーイズ」
ネットランナー(いわゆるハッカー)を中心に構成されており、ナイトシティのパシフィカを牛耳る一大組織です。リーダーのママン・ブリジットとその右腕たるプラシドの姿が明らかになっています。頭脳派を名乗るだけあって二人ともギャングらしい無骨さの中に、洗練された様子が見て取れます。プラシドはイベント時のデモでも特にフィーチャーされており、今後も重要な役割を担うことが示唆されています。

ママン・ブリジット。奇抜な見た目の人物が多い本作の中でも、
比較的現代人と代わり無い外見。彼女の理性的な面が見えるように思えます。
「ディープダイブビデオ」においては、さらに詳細な情報が語られています。2060年頃のナイトシティへのハイチ人の流入と同時期に誕生したらしく、歴史は浅いものの急速に規模を拡大した組織のようです。ハイチ人が主となって「ブードゥー教」から名前をとっているものと思われます。

動画では、ネット世界を取り締まる「ネットウォッチ」なる組織の存在も明らかになりました。彼らはAIの侵攻からナイトシティを防衛しようと活動しています。一方で「ヴードゥー・ボーイズ」はそのAIとの接触を試み、このナイトシティにおいてさらに優位に立とうとする狙いがあるようです。

プラシド。他作品ならば武闘派の荒くれ者といったところでしょうが、
本作では周りと比べて清潔感のある頭脳派の男に見えます。
「ヴードゥー・ボーイズ」は「理性的な組織」と言えば聞こえはいいですが、何を隠しているかわかりません。この手の作品では、理知的に見える者ほど残虐であるということも往々にしてあります。彼らの真の思惑がどのようなものなのか、今から楽しみなところです。

力を信奉し、肉体改造を行う「アニマルズ」
今回「ヴードゥー・ボーイズ」と敵対するギャング組織として「アニマルズ」が登場しています。この2つの組織は非常に対照的で「アニマルズ」は力を重んじ、薬物などによる肉体改造を信条としているようです。肉体改造を施しすぎた結果、その見た目は「醜悪」だと表現されています。

最も強い者がリーダーになる決まりがあり、今のリーダーはサスカッチという「女性」。実機デモではミッションのボスとして圧倒的な存在感を見せていました。

事前にSNSなどで情報収集していた方は、デモ動画でこの人物が女性だと知って驚いたのではないでしょうか。もはや肉体改造のやりすぎで、見た目で性別が認識できる状態ではありません。この姿を見てしまうと「ヴードゥー・ボーイズ」が理性的な組織に見えてきます。

恐ろしい見た目のサスカッチ。ちなみに日本の公式Twitterのリプライにて、
この人物を女性だと見抜いた人がいました。素晴らしい観察力です。
しかし、肉体改造ばかりしているからといって愚か者の集団ということではなさそうです。今回の動画でも何やら計画をしていたことが示唆されていましたし、通常のハッキングは一般的な技能として行うことができるようです。サスカッチもVにハッキングをかける様子が描かれていました。侮ることはできません。

本作には「ヴードゥー・ボーイズ」ではなく「アニマルズ」側につくという選択肢も当然用意されていることでしょう。「ディープダイブビデオ」では、ただの荒くれギャング集団のようにも見えていましたが、実際には思ってもいないような崇高な目的があるかもしれません。

原作「サイバーパンク2.0.2.0」におけるギャング組織
では、原作であるTRPG「サイバーパンク2.0.2.0」でのギャング組織についても少し見てみます。この作品のサプリメントである「ナイトシティ」という書籍内で、ギャング集団についての詳細が述べられています。その数は大小合わせて36組にも上ります。

大道芸人を模した集団や、エルヴィス・プレスリーを崇拝する組織、西部開拓時代のガンマンをイメージした者達など、多岐にわたります。小規模なギャングの中には、「ポーザーギャング」と呼ばれる実態は大した事のない格好だけの組織も多くあります。

この書籍の中で「ヴードゥー・ボーイズ」は、ナイトシティ総合大学の学生にドラッグを売りさばく組織として登場。刺青をして、鳥の羽を頭皮に埋め込むなど呪術的な印象の風体をしています。大学の通りを徘徊し、「血まみれの鶏の死体で人々を脅かしたり、商店の所有者からむりやり金をせびりとったりすることに喜びを見出してい」るとのこと。見た目も思想も「2077」で紹介されている集団とは異なる印象を受けます。

原作の「ヴードゥー・ボーイズ」は何やらコミカルな印象。
画像のようなカッコいい組織とは少し異なるようです。
ちなみに原作には「アニマルズ」に相当するギャングが存在しません。同一の名前もなければ、「力を求めて自己強化に勤しむこと」をモットーとする組織もありません。「アニマルズ」は、「2077」の完全オリジナルだと思われます。

原作にも暴力に訴える組織はいくつかありますが、そのどれも複雑な思想をもっています。
「アニマルズ」は原作の複雑な多数の集団を、わかりやすく統廃合して造られたようです。
「2.0.2.0」に登場するギャングはどれも細かすぎると言えるほど設定を作り込んでいます。CDPRはビデオゲームにするにあたって対立構造をわかりやすくするために、2つの対象的な組織を造ったのかもしれません。設定を簡略化した代わりにストーリー上の動きや組織の登場人物のバックグラウンドを掘り下げるなど、他の部分に深みをもたせようとする意図が見え隠れしています。

情報が公開されるにつれて、徐々に明らかになる作品の全貌。まだまだ登場するギャングの数は増えるかもしれません。サイバーパンク世界ならば、日本のヤクザが登場するのかどうかも気になるところ。原作TRPGのファンだった人も新鮮な驚きと楽しみを持ってプレイできることでしょう。

Game*Spark 竜神橋わたる

最終更新:9/28(土) 18:00
Game Spark

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