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「抱え上げないケア」広がる スタッフの腰痛防止、患者の2次障害改善も

10/3(木) 10:43配信

西日本新聞

 病院や介護施設などで「抱え上げない看護・介護(ノーリフティングケア)」を導入する動きが加速している。移動する際に人の力に頼らず、医療・介護用リフトなどの道具を使うことで、ケアする側の腰痛予防はもちろん、ケアされる側の手足が曲がる拘縮や表皮剥離(はくり)などの2次障害を防ぐ効果に注目が集まる。九州ではNPOによる技術認定試験も始まっている。

【写真】「抱え上げないケア」リフトを使い患者を移動させる作業療法士たち

 8月上旬、福岡県田川市の県立大。NPO福祉用具ネット(事務局・同市)による抱え上げない看護・介護の研修会が開かれた。看護師や介護福祉士、作業療法士などの専門職28人が、リフトの使い方、シートを使って車椅子からベッドに滑らかに移動させる方法などを1日がかりで学んだ。

「刺激がかなり少ない」

 力任せに抱え上げられると、患者や要介護者は筋肉の緊張や痛みが生じ、これを繰り返すと身体の変形や拘縮が起こってしまう。このため「抱え上げない」「持ち上げない」「引きずらない」ことを徹底する。ケアされる側を体験して「刺激がかなり少ない」と驚く参加者もいた。

 同NPOは2017年、福岡、佐賀、熊本、大分4県の約100人でプロジェクトチームを結成。有志が先進地の高知県での勉強会に参加するなど、約1年かけて具体的な技術を学んでいる。

「スタッフ自らを守るためにも不可欠」

 昨年9月に初の技術認定試験を行い、20人が合格。今年4月の2回目は29人が合格した。合格者は勤務する病院や施設で指導と普及に励む。今後も年1回の試験を続ける予定。

 看護師でもある大山美智江事務局長(68)は「患者に不快なケアを改善しなければならないし、スタッフ自らを守るためにも不可欠。今、本気で取り組まないと、外国から人材を招いても体を壊して帰国させることになってしまう」と訴える。

「入所者、スタッフ双方の幸せのためのケア」

 北九州市八幡西区の特別養護老人ホームふじの木園(定員70人)では、プロジェクトチームの1人、作業療法士白石源成(もとなり)さん(39)を中心に浸透を図る。

 16年、職員の腰痛に悩んだ施設長の須藤秀作さん(39)が抱え上げないケアに着目。白石さんと共に各地の研修会に参加し、「入所者、スタッフ双方の幸せのためのケア」を合言葉に導入した。

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最終更新:10/3(木) 16:00
西日本新聞

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