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井上芳雄が「決意を新たに」、井上ひさしの言葉が強く痛く響く「組曲虐殺」開幕

10/6(日) 19:33配信

ステージナタリー

こまつ座&ホリプロ公演「組曲虐殺」が、本日10月6日に東京・天王洲 銀河劇場で開幕した。

【動画】舞台「組曲虐殺」2019 本読み稽古 ダイジェスト映像(前編)(メディアギャラリー他7件)

「組曲虐殺」は、「蟹工船」で知られるプロレタリア作家・小林多喜二が29歳で亡くなるまでの数年間を、井上ひさしが描いた音楽劇。2009年の初演、2012年の再演に続いて演出を栗山民也、多喜二役を井上芳雄が務め、音楽・演奏を小曽根真が担当する。このほかの出演者には上白石萌音、神野三鈴、土屋佑壱、山本龍二、高畑淳子が名を連ねた。

開幕に際し主演の井上芳雄は、「『組曲虐殺』は自分が演劇をやる意味に気づかせてくれた、大きな転機となった作品です」と本作に対する思いを明かし、「井上さんや多喜二から『綱を渡された者』の1人として、未来に希望があることを信じ、今の時代に僕が演じる多喜二にしなければと決意を新たにしています」と意気込みを語る。栗山は「今回の舞台は7年ぶりの再々演だが、今までと随分と違った世界に見えた」「井上ひさしの言葉が目の前にあってのこと、その一つひとつの言葉が、今の時代にとても強く痛く響くのだ」と手応えを口にしている。

上演時間は休憩ありの約3時間15分。東京公演は10月27日まで行われ、その後、福岡、大阪、長野、富山、愛知を巡演する。

■ 井上芳雄コメント
初演のとき僕は30歳で、多喜二と同年代でした。
それからずっと僕の中には多喜二と井上ひさしさんがずっといて、2人に恥ずかしくない自分でありたいと思って生きてきた気がします。今振り返ってみると「組曲虐殺」は自分が演劇をやる意味に気づかせてくれた、大きな転機となった作品です。すべての舞台は現代社会と繋がっていて、僕たちがお芝居をする意味を明確にしなければ、未来に繋がらないことを学びました。この10年で、結婚し子供もできて自分自身の環境も大きく変化しました。井上さんや多喜二から「綱を渡された者」の1人として、未来に希望があることを信じ、今の時代に僕が演じる多喜二にしなければと決意を新たにしています。

■ 栗山民也コメント
今、ゲネプロを終え、自宅に戻った。早速、ビールを開ける。ものすごい熱がまだ体全体に残っている。舞台の時間は、これだからやめられない。
今回の舞台は7年ぶりの再々演だが、今までと随分と違った世界に見えた。2人の新しい俳優が参加してくれたこともあるが、皆7つ歳をとって、多喜二のあの暗黒の時代を通し、この歪んだ今の時代へと皆が正直真っ直ぐ向き合っているように思えた。勿論、井上ひさしの言葉が目の前にあってのこと、その一つひとつの言葉が、今の時代にとても強く痛く響くのだ。初演の時の台本の裏表紙に書き留めていた多喜二の言葉を、また思い出す。「革命とは、この田口タキという人を幸せにすることだ。」
とにかくゲネプロの今夜、6人の俳優と1人のピアニストによるセッションは、一つの熱い塊になった。足し算ではなく掛け算で、舞台の温度はぐんぐんと上る。あとは観客の皆さんとのぶつかり合いで、この作品がもっと新しく大きく成長していくことを心から望む。

■ 上白石萌音コメント
井上ひさしさんの台詞は、口に出してみて改めて言葉の強さがわかりました。
今はこの作品の一部になれることが嬉しく、演じているとき、本当に幸せです。
全部の瞬間と言葉が本当に尊いと感じます。
私の演じる瀧子はあまり言葉を持っていない子なので、一言一言にシンプルで強い思いが込められています。それが難しい部分でもあるのですが、瀧ちゃんの信念を大切にしていきたいと思っています。自分で飾らず、台本に書かれてあることを全部そのまま受け取って、そのまま発すれば良いんだと稽古中に気付きました。全部井上先生の本に書いてあるんだなと。
タイトルが怖いので身構えていらっしゃる方もいるかもしれません。決して多幸感に満ちた時代ではないけれど、幸せになりたいと思って必死に生きていた人たちのお話です。
一緒になって一喜一憂してもらえたら嬉しいです。
そして言葉のもつ力と、音楽素晴らしさを存分に体感していただきたいです

■ 小曽根真コメント
今回は上白石さん、土屋さんという新しいファミリーメンバーを迎えての再々演になりますが、栗山さんも、僕も、役者さん全員も、新たなインスピレーションをいただいたことで、今までよりも重心が低く、もう一歩も二歩も深い所まで届いたことを感じます。きっと井上先生が描きたかった世界、観客の皆さんにお伝えしたかったメッセージをよりクリアに伝えることのできる作品に仕上がったのではないかと思います。まさしく今の時代に生きている皆さんの心に、先生が鳴らし続けた警鐘が共振するのではないでしょうか。大切なことは、これは生でしか経験できないということです。おそらく、映像で観てもこの作品の良さは100%伝わらないでしょう。皆さんも、井上先生の仰る「運命共同体」として、生でこそ得られるものを感じるため、ぜひ劇場に足をお運びください。

■ こまつ座&ホリプロ公演「組曲虐殺」
2019年10月6日(日)~27日(日)
東京都 天王洲 銀河劇場

2019年10月31日(木)~11月3日(日・祝)
福岡県 博多座

2019年11月8日(金)~10日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

2019年11月17日(日)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール

2019年11月22日(金)
富山県 オーバード・ホール

2019年11月30日(土)・12月1日(日)
愛知県 御園座

作:井上ひさし
演出:栗山民也
出演:井上芳雄、上白石萌音、神野三鈴、土屋佑壱、山本龍二、高畑淳子

最終更新:10/6(日) 19:33
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