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マーベラス初のアーケード向けリズムゲーム『WACCA』 激戦の音ゲー市場に挑む開発陣が語る勝算とは?

10/8(火) 11:02配信

ファミ通.com

文:ハトヤ伊藤

 筐体に360度円形に配置されたタッチパネルを操作することで、曲と光を操る感覚が楽しめるリズムゲーム『WACCA』。7月のリリース以降、人気を拡大しつつある本作は、音ゲー業界では後発のマーベラスによる意欲作だ。すでに多くの有名タイトルが存在するアーケード音楽ゲーム市場にあえて後発で参入し、ヒットを狙った開発チームの戦略とは? チーフプロデューサーを務める横山達也氏にお話をうかがった。

WACCA
 “WACCA”(ワッカ)の名の通り、画面を一周ぐるりと覆うLED内蔵タッチパネルが目を
引くリズムゲーム。画面奥から手前へと流れてくるノーツに合わせて、該当するパネルをタッチ。ホールドやスライドといった操作も駆使して、高得点を目指そう。収録曲は今後も続々と追加予定。(1プレイ/100円)

HARDCORE TANO*C
 2003年より活動をスタートした、ハードコアテクノの制作および、クラブイベントの開催などをこなす音楽レーベル。『WACCA』には楽曲提供のほか、開発でも参加している。



HARDCORE TANO*Cとの“共作”が話題に!
 マーベラスのアーケード向けゲームと言えば、キッズ・ファミリー層向けのタイトルが主流。そんな中で、アミューズメント事業部では「新しく柱となるタイトルを作り、事業を拡大していこう」という方針が打ち出され、その一環として横山氏が提案したのが、『WACCA』だった。とはいえ“音楽ゲーム”の分野は、多くの競合メーカーがしのぎを削る激戦区。後発メーカーにはきびしい状況だが、横山氏は“楽曲の用いかた”にこだわることで、独自性を出せると考えたという。「私はクラブミュージックが好きで、大好きなHARDCORE TANO*Cさんに協力してもらうことを考えました。しかもただ楽曲を提供してもらうのではなく、我々といっしょにゲームを作ってほしい、と。メーカーとサウンドクリエイターの“共作”となれば、一気に注目を集められるという狙いもあったのですが、オファーしたところ快く引き受けてもらえました。その時点で“これはいける!”という勝算が持てました」(横山氏)。



 この狙いは的中し、“音ゲー”ユーザーはもちろん、多くの音楽ファンの興味関心を引くことに成功する。幸いなことに、HARDCORETANO*Cにはゲームに精通したメンバーが多かったため、開発に関するやり取りは非常にスムーズに進んだという。「共作ではあったものの、壁を感じることはなかったです。収録する楽曲についても、HARDCORE TANO*Cさんのほうからいろいろと提案してもらえて、綿密にコミュニケーションを取ることができました。すでに今後の展開についても、あれこれと相談させてもらっています」(横山氏)。

 そんななか、収録される楽曲はどのような基準で選ばれたのだろか? お話をうかがったところ、選曲の面にも横山氏の強いこだわりが反映されたようだ。「音ゲーを遊んだことがある人から未経験の人まで、幅広い層に興味を持っていただけるように、多彩なジャンルの曲を集めました。HARDCORE TANO*Cさんが制作した楽曲はもちろん、メジャーなJポップやボーカロイドの楽曲なども収録しています。そのほかにも、ブロガーとして活躍されているARuFaさんとコラボした楽曲も作るなど、マーベラスならではの楽曲も続々と配信していますので、そうした攻めの姿勢も、収録曲のラインアップから感じていただけると思います」(横山氏)。




斬新でありながらライトな層でも遊びやすい操作性を目指す

 このように、楽曲面の準備は順調に進んでいたものの、筐体のデザインに関しては、試行錯誤のくり返しだったという。当初は、クラブミュージックであることにこだわり、ターンテーブルをイメージした操作方法を模索していたそうだが、それでは既視感が強く、新鮮なプレイ感覚を楽しめない……ということで、方向性を大きく変更。「体を大きく動かしたり、楽曲に合わせて、まるで自分が光を操っているかのような感覚を味わえたら楽しいのでは?」という発想から、現状の筐体デザインに行きついたのだとのこと。ちなみに、開発当初のアミューズメント事業部は、さまざまな部署のスタッフがかき集められた“寄せ集め”状態だったそうで、「だからこそ逆に、特定のアイデアのみに縛られず、さまざまな意見を取り入れる形で開発に取り組めました」と横山氏は語ってくれた。

 ただし、操作パネルを円形にするアイデア自体は早い段階から決まったものの、そのサイズや角度、画面とパネルの距離などの調整はかなり難航したそうで、「それぞれ5センチ単位でずらした試作筐体をずらりと並べて、“いちばん使いやすいのはこれだ”といった感じで、実際に『WACCA』をプレイしつつ、最適な形状を導き出しました」(横山氏)。

 その甲斐あって、斬新かつ奇抜な外見でありながら、スマートフォンで音ゲーに慣れ親しんだ層でも入り込みやすい、手軽でわかりやすい操作性を実現した『WACCA』。横山氏も「独特なデザインの筐体ですが、操作性自体はかなりシンプルで、タッチやスライド操作だけで遊べます。アーケードでの音ゲーは未経験でも、一度見ればすぐに遊びかたが理解できるという点を意識しました」と語る。その狙いが奏功していることは、ゲーセンでの盛況ぶりが示していると言えるだろう。

 実際のところ、ユーザーからも好意的な意見が多数寄せられており、楽曲や操作性のほか、通常プレイとは別料金を支払うことで、さまざまな特典が得られるVIPメンバー制度も話題に。その内容は、“新曲の配信日が通常のプレイヤーより1日早くなる”や“マイページの機能をフルに活用できる”、“プレイ時に得られるポイントが増量する”といったもので、登録者数も順調に増え続けているという。こうした反響もあり、横山氏は『WACCA』のさらなるバージョンアップを模索しているそうで、「長期にわたって運営していきたいので、タイミングを見て追加要素を導入したり、大型アップデートも実施する予定です。今後の展開についてはいろいろと話し合っていますので、本作をプレイしていただきつつ、お待ちいただけますと幸いです」と語ってくれた。




ナビゲーター・エリザベスも人気上昇中!

 『WACCA』についてお話を伺ううえで、もうひとつ外せないのが、作中でナビゲーターを務めるキャラクター・エリザベスの存在。「男性だけでなく、女性のユーザーにも楽しんでもらいたい」というコンセプトを反映して、女性から見てもかわいいと思ってもらえるデザインに仕上げたそうで、事実、多くのユーザーから好意的に受け入れられているという。現時点では、詳しいプロフィールなどは公表されていないものの、じつは世界観や、エリザベスを中心としたキャラクターの相関図など、裏設定は細かいところまで作り込まれているそうで、横山氏いわく「いずれはそれらも、ゲーム内に反映させる可能性は高いです」とのこと。



 HARDCORE TANO*Cとの楽曲の共作や、直感的な操作で楽しめるゲーム性、そして魅力的なキャラクターの展開と、どの方面にも攻めの姿勢で挑み、多くの音楽ゲームファンを取り込み続けている『WACCA』。最後に、今後の展望については、「これからも守りに入らず、ときには“何だこれ?”と思われるようなコラボ企画も、積極的に実施していきたいですね。ゲーム内だけでなく、リアルな音楽イベントへの出展も検討していますので、今後の『WACCA』の展開にご期待ください!」と、意気込みを聞かせてくれた。

最終更新:10/8(火) 11:02
ファミ通.com

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