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「つくれば売れる」…「子ども」がビジネスチャンスだった時代 懐かしい観光地の「陶磁器みやげ」に残る謎

10/14(月) 7:00配信

withnews

 80~90年代に日本中の観光地で売られていた雑貨みやげ「ファンシー絵みやげ」。「平成文化研究家」の山下メロさんは、時代の流れとともに消えていった「文化遺産」を、保護するために全国を飛び回っています。ファンシー絵みやげには、陶磁器でつくられたマグカップや茶碗などが多く存在しています。その背景には、民芸品が売れない窯元の苦い思いもありました。量産された「陶磁器みやげ」のルーツを、山下メロさんが探ります。

【画像】懐かしい「ファンシー絵みやげ」はこちら プレッシャー高すぎ?父親向けの茶碗に「めざせ係長」 

「ファンシー絵みやげ」とは

 「ファンシー絵みやげ」とは、1980年代から1990年代かけて日本中の観光地で売られていた子ども向け雑貨みやげの総称で、ローマ字日本語、二頭身デフォルメのイラストが特徴です。写真を見れば、実家や親戚の家にあったこのお土産にピンと来る人も多いのではないでしょうか。

 バブル時代がピークで、「つくれば売れる」と言われたほど、修学旅行の子どもたちを中心に買われていきました。バブル崩壊とともに段々と姿を消し、今では探してもなかなか見つからない絶滅危惧種となっています。

 私は、その生存個体を保護するための「保護活動」を全国で行っているのです。

由緒正しい陶芸品、でも子どもには……

 ファンシー絵みやげには、茶碗や湯飲みなどの「陶磁器」が多く存在していました。ちなみに、一般的に「陶器」と総称されがちですが、実際にはほとんどが陶器ではなく磁器ですので陶磁器と呼んでいます。

 常滑焼の常滑(愛知県)や信楽焼の信楽(滋賀県)など、焼き物の窯元が集まる地域は観光地になっていることが多く、観光客向けの展示施設などがあり、焼き物がお土産としても売られていました。このように観光客が陶磁器を買って帰るエリアは、日本各地にあります。

 しかし、有田焼や九谷焼など由緒正しい作品も、子どもには魅力が伝わりづらく、価格も高額でとてもお小遣いでは購入できません。そんな観光地の悩みに応えたのが、かわらしい絵が施され、安価で量産できるファンシー絵みやげだったようです。

 それを裏付ける出来事が、2015年に山口県萩市でおこなったファンシー絵みやげ保護活動の際に起きました。

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最終更新:10/14(月) 11:50
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