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憎しみ向けられる香港警察 本土では英雄扱い、SNSでプロポーズも殺到

10/8(火) 22:02配信

The Telegraph

【記者:Nicola Smith】
 香港警察と抗議デモ参加者との衝突は今月初めに一段と激化し、警察当局は今やデモ隊から憎悪の的になっているが、境界を一歩超えた中国本土ではソーシャルメディア上で英雄扱いされ、一部の警察官には熱烈なファンまで大勢生まれている。

 香港警察はかつて「アジア最良」と称賛されていたが、今月初めに14歳と18歳の少年が撃たれて負傷し、香港政府が街中での暴力行為を抑制するために、市民の強い反発を押し切って覆面禁止条例を導入してからは、民主化を求めるデモの参加者との関係はさらに緊迫した。この新法は、香港政府トップの林鄭月娥行政長官が英植民地時代の緊急状況規則条例を基に施行したものだ。

 この数か月、両者の間では互いを罵倒する言葉が飛び交い、機動隊の姿を見ただけで「汚い警官ども」「三合会(香港の犯罪組織)」という叫び声がデモ隊から上がるかと思えば、機動隊からはデモ参加者を「ゴキブリ」と呼ぶ声も上がる。

 香港警察は地元や国際社会からはデモ隊への武力行使をエスカレートさせていると批判を受ける一方で、中国本土では愛国心と国家の主権を守るために戦っていると英雄視されている。国内で最も人気が高い中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」では、大勢のフォロワーを誇り、女性たちから次々求婚され、肉体美を称賛される警察官もいる。

 中でも最も有名なのは劉澤基氏(46)だ。劉氏は7月末、警察署の前で抗議デモ参加者らにビーンバッグ弾を込めた散弾銃を向けたとして香港で非難されている。だが、微博でのフォロワー数は今や80万人を超え、「はげ頭(光頭)の劉氏」という愛称まである。今月1日には、建国70周年の国慶節(建国記念日)の大規模な軍事パレードに主賓(しゅひん)の一人として招待され、手の甲に中国国旗を描いて笑顔を向けた写真を撮っている。

 もう一人、張氏と名乗る香港の警察官もソーシャルネット上の有名人だ。フォロワー数は7万8000人を超える。定期的にジムで汗を流す姿を投稿し、それに対して「ああ、その上腕二頭筋があればゴキブリどもも逃げ出す」「あなたの子供が産みたい!」と熱を上げる女性フォロワーもいる。

 香港では今月4日夜に覆面禁止条例に対する抗議デモが行われ、店舗や駅構内で放火が相次いだ。打って変わって5日の香港は、不自然な静けさに包まれた。多数のデモ参加者らが利用するネット掲示板では、この日を「休息日」にして翌6日には「記録的な」大規模デモを行おうという呼び掛けが行われていた。

 5日、覆面をした数百人がデモ行進し、新法に抗議するために人間の鎖を作った。しかしこの抗議活動は大規模な逮捕にはつながらなかった。正午になると林鄭行政長官は声明で前夜の暴力行為を引き合いに出し、新法の施行を正当化した上で暴力を非難して、市民に対し香港政府を支持するよう促した。

 同日夜、前日に警官に太ももを撃たれたとみられる14歳の少年が、暴動に参加して警官を攻撃した疑いで逮捕された。しかし、香港警察は発砲したのが警官であるかどうかまでは正式に発表していない。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:10/8(火) 22:02
The Telegraph

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