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安定を捨て、一念発起。シンガポールの伝統的屋台「ホーカー」経営に挑戦する若者たち

10/8(火) 17:00配信

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伝統的屋台「ホーカー」とは?

シンガポールには「ホーカー」という屋台がある。安価でローカルフードを提供するホーカーは、日本のように日々の自炊が根付いていないシンガポールの人々にとってはお袋の味であり、なくてはならない存在だ。

マレー半島の南端に位置するシンガポールは、中国・マレー系・南インド・英領マレーシアなど様々な文化が融合した独特の文化を持つ国、まさに「文化のるつぼ」だ。それは食文化にも色濃く反映されており、シンガポールの唯一無二の食文化は、現地の人々のみならず、海外から足を運ぶ観光客をも魅了している。

だが、そんなホーカーが近年減少傾向にある。

ホーカーの厳しい経営状況

その背景にあるのは厳しい経営状況だ。

ホーカーは、シンガポールの人々の暮らしを支える大切な文化であり、売られている料理は多種多様だ。そのような競合相手の多い中で、2S$(約160円)程度のお手頃な価格で商品を提供し続けることは簡単ではなく、全てのホーカー経営者が十分な利益を得られているわけではないようだ。

しかし、ホーカー文化はシンガポールの文化遺産とも言えるものだ。それを絶やさないために、政府は支援金を提供するなどの政策を行っている。

主にその支援の恩恵を受けることができるのは、1970年代に普通の道端からフード・センター(多くのホーカーが集まる区画)へホーカーの場所を移した「第一世代」。第一世代の支出が1ヶ月あたり約240S$であるのに対して、新規参入者は約1260S$という大きな差が生じてしまっているのも事実だ。

また、料理に使われる生鮮食材の仕入れ代が高くなっている。2014年の通商産業省と環境省の調査によれば、ホーカーの賃料が支出の12パーセントであるのに対して、生鮮食品の仕入れ代は50パーセント以上を占めていることが分かった。この状況を改善するために、政府は生鮮食品の大量仕入れが推奨している。

その結果、あるレストラン経営者は、以前と同じ契約にも関わらず、1ヶ月約500S$のコストを削減できたという。彼は元々ホーカーから飲食業を始めた人物で、「500S$という差は、ホーカー経営者にとって非常に大きな違いです」と語っている。

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最終更新:10/8(火) 17:00
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