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「肩で貢献したかった」ミスを恐れず大胆に!名門・鹿児島実が8季ぶりの優勝

10/8(火) 21:14配信

高校野球ドットコム

 第145回九州地区高校野球大会鹿児島県予選最終日は10月8日、鹿児島市の平和リース(県立鴨池)球場で決勝があり、鹿児島実が鹿児島城西を2対0で下し、8季ぶり31回目の優勝を勝ち取った。

【トーナメント表】秋季鹿児島県大会

 シード校らしい力強さを発揮して勝ち上がった鹿児島実。優勝候補の神村学園をはじめ、れいめい、枕崎など強豪ひしめくパートを勝ち抜いた鹿児島城西。決勝戦は現時点の鹿児島で最も力のある両校が秋の頂点を競うにふさわしい好勝負を繰り広げた。

 2回表、鹿児島実は先頭の4番・坂本大心(2年)がフルカウントから変化球にうまく対応し、レフトスタンドに先制ソロホームランを放った。

 6回表は4番・坂本、5番・高田隼之介(2年)が連打で出塁し、7番・平尾大地(2年)のレフト前タイムリーで追加点を挙げた。

 鹿児島城西は先発の前野将輝(2年)、7回からリリーフした八方悠介(2年)、大会屈指の両右腕が粘り強く投げて、2失点で切り抜けていたが、自慢の強力打線が鹿児島実のエース加島優太(2年)を中心とした堅守をなかなか崩せない。

 9回裏、一死から6番・池山聖悟(2年)が内野安打、代打・古市龍輝(2年)がエラーで出塁。一打同点、逆転のチャンスを作ったが、後続を断たれ、本塁が遠かった。

 前日の準決勝・鹿屋中央戦の後、グラウンドに戻った鹿児島実ナインは異例のミーティングを開いた。

 4失策、うち6回に喫した3失策が全て失点に絡み5失点。自分たちのミスが敗因になる怖さを痛感し「1つでもミスを減らすこと」(宮下正一監督)を再確認。一方で「ミスを恐れず、大胆に野球をやる」。2つのテーマを持って鹿児島城西との決勝戦に臨んだ。

 大胆さが出たのは6回裏の守備だ。二死一塁からセンター前ヒットで一走が三塁に走った。中堅手・平尾は三塁へダイレクト送球。間一髪のタッチアウトでピンチを脱した。「打てなくてチームに迷惑をかけていた。自分の得意な肩でチームに少しでも貢献したかった」平尾の攻めのプレーが功を奏した。

 三塁手・小堺佑成(2年)は「準決勝で加島を助けられなかった」反省から気迫のこもった守備をみせた。派手なうまさはないが、グローブを下から出す基本に忠実に、「顔面に当ててもいいから前に落とす」気迫で守備機会をことごとく処理し、守備でエースを盛り立てた。

 エース加島も「エースにふさわしい投球ができなかった」汚名返上のマウンドで躍動した。連投だったが「連投の方が、ボールが良くなる」(宮下監督)と考えた指揮官の期待に応えた。

 9回裏、初めてエラーが出て一死一二塁とこの試合、最後にして最大のヤマ場を迎えたが、準決勝ではできなかった「味方のミスを投球でカバーする」機会が巡ってきたことに奮起。8番・大島正太郎(1年)を抜いたスライダーで空振り三振。9番・長隆稀(1年)は古仁屋中出身で、中学時代から何度も地区大会で対戦した好打者だったが、力のある直球でセカンドフライに仕留め、優勝を決めた。「むしろこの状況を楽しむ」意気込みで大胆な投球をやってのけた。

 「きのうより成長できた姿を見せられたことを自信にして九州大会に挑みたい」と原口萌生主将(2年)。エース加島は「まだまだ自分には課題がある。一つずつつぶして九州大会に臨みたい」と意気込みを語っていた。

政 純一郎

最終更新:10/8(火) 21:14
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