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ソフトバンク内川V弾、突破率8%覆した 王会長も「すごいねえCS男」

10/8(火) 12:10配信

西日本スポーツ

 ◆パ・リーグCSファーストステージ第3戦 ソフトバンク2-1楽天(7日・ヤフオクドーム)

【データ】内川のCS年度別打撃成績

 2年連続の下克上へ、最初のハードルを越えた。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)第1戦を落としながら、第2、第3戦を逆転で連勝。パ・リーグCS史上、初戦を落とした球団の進出率わずか8%だった不利な状況を覆して6年連続でCSファイナルSへ進んだ。CSで抜群の強さを発揮する内川聖一内野手(37)が同点適時打に続き、CS最多となる通算10号の勝ち越しソロをマーク。西武への挑戦権をたぐり寄せた。

■無意識に体が反応

 突破率8%の分厚い壁を、内川が打ち砕いた。同点の7回先頭で、宋家豪のチェンジアップに体が反応した。「えっ?って。何が起こったか分からなかった」。バットを振った張本人がすぐに事態をのみ込めないうちに、打球は左翼スタンドに飛び込んだ。湧き起こった大歓声で、われに返った背番号1は、身震いしながら右の拳を突き上げてダイヤモンドを1周。ベンチ前で待っていたチームメートとは、力いっぱいハイタッチを繰り返した。

 「久しぶりに興奮して頭が痛くなった。自分の野球人生の中でも、印象に残る一本になった」

 第1戦に続く2号ソロは、覇者西武とのCSファイナルS進出を決める決勝弾。通算7度目の決勝打でもある。パ・リーグのCSファーストSでは過去12度で初戦を落としながら、ファイナルSに進んだのは1チームのみ。圧倒的不利なデータさえも覆した。

 先制された直後の4回には、2死一、二塁から岸の外角直球を右前へはじき返す同点適時打。レギュラーシーズンで7打数6安打2本塁打と打ち込んだ右腕を、大一番でも返り討ちにした。これで、西武中村を抜きCS単独トップの通算10号。既にトップの51安打、30打点と合わせて“CS通算三冠王”に返り咲いた。

■“CS通算三冠王”

 3年ぶりに規定打席に達した今季は打率2割5分6厘に終わった。「なんで(CSで)打てるか分かれば、もっとシーズンでも打てるはず」と自虐的に振り返りながら、大舞台に本領を発揮する要因を「(CSは)勝つか負けるかの勝負。割り切れるところはある」と語った。

 ポストシーズンを前に、世界で戦うアスリートに奮い立たされた。最後のオリックス2連戦のため大阪へ移動した9月27日は、バレーボール女子のワールドカップ(W杯)の日本対セルビアを観戦。世界ランキング1位の相手に2セット先取されながら、日本は逆転勝利を収めた。「諦めない姿に打たれるものがあった。次は自分たちの番だと思えた」と興奮を抑えられなかった。

 レギュラーシーズン終了後の休養日だった今月1日は、大分・別府市へ。ラグビーW杯で最多3度の優勝を誇るニュージーランド代表「オールブラックス」の、試合前日練習を目に焼き付けた。驚かされたのは、グラウンドを離れたときとのギャップだ。鬼気迫る表情が一気に和らぎ、詰めかけたファンと陽気に触れ合っていた。

 「ずっと世界一にいるからこそ、負ける怖さを知っているように感じた。生きるか死ぬかの戦いをしているから、オンとオフの切り替えがすごい」

 短期決戦を前に勝負師たちから受けた刺激で、気持ちをリセット。常勝軍団の先頭に立ち続けてきたバットマンも、負けたら終わりの土壇場で底力を見せつけた。 (鎌田真一郎)

  ◇    ◇

 王貞治球団会長「(内川は)すごいねえ、CS男。こういう重圧の中で仕事ができると、ますます前へ前へという気持ちになる。彼の来年以降にもね、いい方に作用する。(ファイナルへ)やるしかないんだから。こういう勝ち方で乗り込めるのは大きいよね」

 後藤芳光球団社長兼オーナー代行「データ的に不利な中で、すごくいい試合だった。昨年より総合力があるんじゃないか。あとは何としても(日本シリーズでヤフオクドームに)戻ってこないとね。西武に(昨年の)倍返しをされないように」

西日本スポーツ

最終更新:10/8(火) 12:10
西日本スポーツ

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