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日本人男性20人に1人いると言われる「色弱」。わかりやすい「色」の使い方とは?

10/9(水) 7:06配信

Web担当者Forum

日本人男性の20人に1人はいると言われる「色弱」。物事の違いを色だけで区別することには、配慮が必要だという。

7月20日に開催されたアクセシビリティの重要性を理解する「Japan Accessibility Conference - digital information vol.2」に登壇した伊賀氏は、自身の「色弱」で体験したこと交えながら一当事者として、「色の見え方が少し違う」人々が暮らしやすい社会を作るためにはどうしたら良いのか解説した。

 

色弱とは「色の見え方が違う」こと

色覚(色の見え方)は、色を感じる視細胞の種類で決まる。視細胞には赤色、緑色、青色があり、どれかに異常があると「色弱」「色覚異常」と呼ばれる。視力や視野でいう「物の見え方」には異常がなく、「色の見え方」が違うというところが特徴だ。

伊賀氏の色の見え方は「1型2色覚」といわれ、赤色を感じとる視細胞が生まれつきない、いわゆる「色弱」とされている。

色弱にも種類があり、赤色と緑色が似て見える人を「赤緑色弱」という。伊賀氏も赤緑色弱だ。非常に稀だが、青色と黄色が似て見える黄青色弱というタイプの人もいるという。

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「赤色の本を取って」と言われたときに、私たちは「緑色の本」を平気で持って行きます。まだ焼けてない肉を食べようとしたとか。あるいは、ウニとわさびを間違えて食べたとか。そういうあるある話はたくさんあります(伊賀氏)
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驚くべきことに、眼科で色弱と診断されているのは日本人男性の場合20人に1人。計算すると、日本には320万人もいるという。白人の場合は10人に1人と、世界的に見ると決して珍しいものではない。

 

色は「わかりやすい」ことを重視してほしい

たとえば、一番上が元のデザインで、2番目が伊賀氏が見えている色、3番目はまたタイプの違った色弱の人が見えている色とする。

文字を見るとA、B、Cの3種類があることはわかるが、色だけで見ると伊賀氏は2種類しかないと思ってしまう。そのため、これをうまく調整して、誰でもが3種類あるように見えるようにしてくれるとうれしいと言う。

色には「楽しい」「きれい」「心が安らぐ」というような、「感情を伝える効果」と、物事を「わかりやすくする」ための「情報デザイン」という2つの使い方がある。

「私たちが変えてほしいと思っているのは、後者の「わかりやすい」ほう。「色だけ」で要素を分類したり、目立たせたりしないでほしい」と伊賀氏は話す。

しかし、色に関するアクセシビリティのルールの中には「色に頼らない・色以外の情報で補償する」としか書かれていない。では、色に頼らず「わかりやすく」伝えるには、どうすればよいか。


■ 色を調整することで分類されていることがわかる

「色弱の人の見え方がわかる『色覚シミュレーション』があるとわかりやすい」と伊賀氏は言う。

たとえば、淡いオレンジ、ピンク、赤、青紫といったさまざまな色が描かれた下図。





この図は、色覚シミュレーションを行うと、次のように見える。





本来一列目は、「淡いオレンジ・暗い黄色・黄緑」といった色が並んでいるが、色覚シミュレーションを行うと、一列目がすべて同じ色に見える。二列目以降も同様で、横一列はすべて同じ色に見えているということだ。

この色覚シミュレーションで感じ取ってほしいことは、色弱であっても色を調整すれば分類されていることがわかるということである。赤色と緑色は同じ色に見えるが、紺色と暗い黄色は全く違う色に見えるわけだ。

 

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最終更新:10/9(水) 7:06
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