ここから本文です

40歳で“肩叩き”の衝撃…業績好調でも進む早期退職若年化

10/9(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【令和のリストラが始まった】#2

 平均寿命は80歳を超えていて、人生100年時代が迫っている。元気で長生きできればいうことはないが、生活の糧となる仕事は、そんなに長く続けられるか。令和のリストラは、40歳から始まる。人生の折り返しを迎える前に、クビを切られかねないのだ――。

■ITや製薬で続々

 IT業界のリストラはすさまじい。富士通は昨年10月、5000人規模の配置転換を行ったのに続き、今年3月末までに早期退職制度で45歳以上を対象に2850人をリストラ。経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)はモバイル事業の縮小で40歳以上を対象に1200人を削減。東芝が早期退職で募集したのは1060人だ。

 東京商工リサーチによると、昨年は1社だった1000人超の早期退職募集が今年上半期ですでに3社ある。規模の大きさだけでなく、見逃せないのが若年化だ。

 上半期に早期退職を募集した上場企業は17社。年齢制限を設けたケースでは、富士通のように45歳以上が10社と最多だったが、JDIのように40歳以上も2社あり、半導体メーカーのメガチップスは何と35歳以上だ。

 そんな中、カーエアコン部品大手のサンデンHDは2日、国内グループ従業員の1割に当たる200人程度の希望退職者を募ると発表。対象は40歳以上で、レナウンも8月に40歳以上を対象に希望退職者を募っている。リストラのカットラインは40歳なのが、今の流れだ。

 働き方改革総研の新田龍代表が言う。

「業績が傾いた企業は、構造改革が最重要課題。新しいビジネスモデルを構築して経営を立て直せればいいですが、短期的には難しい。その点、リストラは即効性があり、株主への説明責任も果たせます。それが、リストラが横行しやすい一因。そこで社員の年齢分布に照らすと、どの企業も40代以上の割合が多く、社員の若返りも狙って、早期退職の対象を40歳以上に設定する企業が増えているのです」

■体力あるうちに人員刷新

 業績好調な製薬業界でもリストラ風がビュービュー吹いている。アステラス製薬や協和発酵キリン、中外製薬、鳥居薬品などが相次いで早期退職者を募集。薬価の引き下げや国外メーカーのライセンス販売の終了などの影響を受けたもので、「体力があるうちに人材を刷新するのが狙い」だという。

 これらの企業では、早期退職の一方、総務や経理から営業などに異動する配置転換も続く。その流れからも、40歳が分岐点になるという。

「20代、30代は転職が当たり前で、その企業のビジョンや経営者の理念などに共感して新天地を求めます。そんな若手を採用するには、風通しがよくないとダメ。活発な異動で新しいことにチャレンジするには、50代では難しく、40歳から早期退職の対象になるのです。異動先の仕事に適性がない人には厳しい仕組みですが、それでも会社に残ろうとすれば、非正規並みの低賃金を受け入れれば可能性はゼロではありません。終身雇用は終わり、格差は広がるばかりです」(新田氏)

 年齢で区切った上で、全社員を対象にするケースが多いが、もちろん“肩叩き”はある。

「有能な社員にまで辞められると困るので、期間を決めて査定し、高評価の社員を囲い込む一方、低評価の社員には違法な退職強要にならないように退職を促すのです」

 老後までつらい戦いが続くのだ。

最終更新:10/9(水) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事