ここから本文です

責任のある仕事が任されなくなっても「3つのメリット」がある

10/9(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【東京⇔盛岡 40歳からの遠距離介護】#6

 介護が始まると、責任のある仕事を任せてもらえないこともある。

 そんな時に落ち込まない方法とは何か。2度の介護離職を経験した工藤さんがこう言う。

「キャリアアップに邁進してきた人にとってキャリアの小休止は受け入れ難い。しかし、一度立ち止まって考えることもたくさんあります。こう言えるのは私自身が小休止の3つのメリットを発見したから。1つ目は、仕事の進め方を見直すきっかけになること。それまでの私は一人で仕事を抱え込み、人にお願いするよりも自分でやった方が早いと思いこんでいました」

 抱えていた仕事をいろんな人にお願いしてみたところ、スピードが格段にアップ。効率的な進め方ができるようになったという。

「2つ目は、多くの無駄が見えるようになったこと。私は当時マネジャーという立場で会議に参加していました。しかし、遠距離介護で出社日数が制限され、会議に参加できないこともあった。そういう環境に置かれると、なぜその会議が必要なのか、本当に会議に出席する必要があるのかという疑問が湧いてくるもの。限られた時間の中で業務をこなさなければならないことで、無駄な業務が浮き彫りになるのです」

 最後の3つ目は自分がいなくても、会社の業務は滞りなく回るということ。

「自分がいないと『この会社は、このプロジェクトはどうなってしまうのか』と思うかもしれませんが、残ったメンバーでカバーしあいながら、普通に業務は回っていきます。介護と仕事を両立することで、責任のある仕事が一時的に回ってこなくなったとしても、必要不可欠な小休止だと考えて欲しいのです」

 そして、絶対に介護離職をしてはいけないタイプがある。

「とにかく『周りの目が気になる人』。平日の昼間にスーパーに行ったり、病院に連れて行ったりすることから、近所の人と会うことを恥ずかしく思う人は離職をしない方がいいと思います。さらに、『介護離職の準備ができてない人』。会社を辞めても失業手当が受け取れますが、自己都合による場合は3カ月以上待つ必要もあります。そのため貯蓄がない場合は会社と話し合って、介護と仕事の両立ができる方法を模索することが現実的です。安定した収入があるうちに、副業を見つけておくのも一手。私はそのおかげで介護離職後も収入があり、助かっています。また、『今ある環境をしっかりと守り、継続できる人』。介護制度や介護保険サービスをうまく活用しながら仕事を続けていくべきだと思います。勢いで介護離職をしたらもったいないです」

 働きながらの介護には、ワリキリが必要なのである。 =つづく

(工藤広伸/介護作家・ブロガー 構成/中森勇人)

最終更新:10/9(水) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事