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国立がん研究センターなど病院に広がる「Azure」「Teams」 日本マイクロソフト、医療業界へのクラウド普及に自信

10/9(水) 11:22配信

ITmedia NEWS

 日本マイクロソフトが、ヘルスケア業界へのクラウドサービス導入を加速させている。同社は「Microsoft Azure」「Microsoft Teams」などが医療・製薬業界の発展や働き方改革に効果的だとし、病院、製薬会社、研究機関への提供を推進。2019年6月期のヘルスケア事業では、クラウドサービスの売上成長率が前期比1.5倍(Azure単体では同2.8倍)に拡大した。導入先では、Azureで治療技術のデータベースを構築したり、Teamsでカルテを共有したり――といった取り組みが行われているという。

【図解】がん手術データベースを構築する流れ

がん手術のテクニックをAzureに集約

 「医師たちの暗黙知を(クラウド上で)可視化し、手術のテクニックを集約したデータベースを作ることで、医療のレベルを上げたい」。日本マイクロソフトが10月8日に開いた会見に登壇した、国立がん研究センター東病院 大腸外科の竹下修由医師はこう語った。同院では17年11月から「Azure Storage」「Azure SQL Database」などを活用し、がん手術の技法を動画にまとめたデータベースを構築している。

 これまでの医療業界では、手術の技法は医師が個々人で習得するのが一般的で、力量には個人差があった。だが今後は、少子高齢化によって患者の数が増える一方で医師の数が減ることが想定されているため、医療の質を均一化しつつ底上げを図る狙いでデータベースの構築を決めたという。

 構築に当たっては、協力する施設から受け取った手術動画を細かいセグメントに分割し、「血管の処理」「手術器具の操作」「患者からの出血」といった情報を付与するアノテーション作業を行った上で、データベース内に格納している。格納した動画はAIに機械学習させて企業に提供し、手術支援ロボットの動作をつかさどるシステムの開発にもつなげる考えだ。若手医師の医師の教育にも生かすとしている。

 現時点で大腸がんを中心に1000症例の手術動画が集まっており、大腸がん手術をナビゲーションするシステムのプロトタイプは完成しているという。今後はこの手法を横展開し、他の臓器のがん治療にも手を広げる計画だ。

 竹下医師は「クルマの自動運転の水準に例えると、今の手術の自動化レベルは0(人が100%判断している状況)だが、ゆくゆくは手術の自動化に近づきたい」と意気込んだ。

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最終更新:10/9(水) 11:22
ITmedia NEWS

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