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リチウムイオン電池 5兆円市場へ ノーベル化学賞・吉野氏が開発 

10/9(水) 21:09配信

産経新聞

 ノーベル化学賞の受賞が決まった吉野彰氏が開発したリチウムイオン電池は、携帯電話やノートパソコン向けなどに需要が拡大し、世界市場は2020年に5兆円を突破する見通しだ。今後は自動車で大きな伸びが見込まれるほか、国際宇宙ステーション(ISS)に採用されるなど用途はさらに広がりそうだ。

【図】広がるリチウムイオン電池の用途

 リチウムイオン電池の世界市場は1991年の発売以降、拡大が続いている。民間調査会社の富士経済によると、2018年は前年比31%増の約4兆2千億円に達したとみられる。

 市場の約4割を占める小型の民生用は、普及とともに伸び率が鈍化してきたのに対し、今後の成長が見込まれるのが電気自動車やハイブリッド車などの電動車用だ。各国の燃費規制の強化を背景に、急速に普及するとみられる。

 22年の電動車用市場は18年と比べ倍増の約4兆5千億円に拡大する見込み。多くの自動車メーカーがラインアップを拡充し、成長が続くと予想している。

 また、今後は太陽光や風力など再生可能エネルギーの利用に不可欠な電力貯蔵システムへの採用も進みそうだ。電力供給を最適化するスマートグリッド(次世代送電網)への貢献も見込まれる。

 人工衛星やロケットなどの宇宙分野でも用途が広がっている。ISSでは従来、ニッケル水素電池を電源に使ってきたが、リチウムイオン電池はエネルギー密度が約3倍と高いなどの利点があり、代替が決まった。物資補給機「こうのとり」で日本製のリチウムイオン電池を運び、順次置き換えている。

 吉野氏は「リチウムイオン電池はある用途で一通り普及すると、次の新しい用途が出ている」とみており、今後の需要拡大に期待している。

最終更新:10/10(木) 8:02
産経新聞

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