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「もう懲りただろう」では防げない。検挙された少年のうち35%が再非行。矯正教育の新しいアプローチとは

10/9(水) 8:41配信

ハフポスト日本版

37.1%ー。検挙された少年のうち、再非行少年が占める割合が過去最悪を更新した。最新の2018年のデータでも、35.5%と依然として高い数字が続いている。少年犯罪者の更生が簡単にはいかないことを、この数字は物語る。

現状を、矯正教育を施す現場はどう捉えているのか。従来と違ったアプローチで更生を促す多摩少年院を訪れた。

8月下旬の昼下がりの多摩少年院。グラウンドからは、少年たちが運動する声が聞こえてくる。教室が並ぶ長い廊下を進んで、施設で一番大きいという実習室に向かった。ここで、出院間近の少年たちが、ある特別な授業を受けるという。


「起立!注目!礼!」「お願いしますっ」

短髪で、白いポロシャツに紺色の長ズボンを履いた少年たちは、脇に手をまっすぐ添わせ、一斉に礼をした。

多摩少年院には、主に詐欺や窃盗などの犯罪をした少年が入院している。彼らは、およそ11カ月の矯正教育を受けて社会に戻ることになる。

授業の目的は、少年たちに自信を持って社会に巣立ってもらえるよう、自分の強みを発見してもらうことだ。

この日授業に参加したのは、17歳から18歳の10人。3人ほどのグループに分かれ、お互いの良さを指摘し合う。

「みんなを引っ張っていく力があるね」。そう評価された少年は、「本当すか?」と髪の毛を手でいじりながら、白い歯を見せた。

少年たちは、こうして発見した自分の強みを、皆の前でスピーチする。自分は気づいていないけれど、人から見たら良いところもある。そんな気づきを得てもらうことがねらいだ。

「気づいていなかっただけで、これまで無かったわけじゃない。今日見つけた強みを、社会に出てからぜひ活かしてください」外部講師はそう授業を締めくくった。

授業を終えた少年たちの表情は、心なしか晴れやかだった。

このプログラムは「WORKFIT」と呼ばれる。人材サービス大手・リクルートが提供しているもので、5年前から全国では唯一、多摩少年院で実施されている。

多摩少年院では2018年、出院した少年のうち7割以上が就職を希望した。一方、社会に出たものの再び犯罪に手を染める少年も珍しくない。法務省が発表した2018年の犯罪白書によると、少年院を出てから5年以内に再び少年院もしくは刑務所に入った少年の割合は21.6%に及ぶ。

どうすれば出院後、社会での更生が上手くいくのか。多摩少年院は、WORKFITの中で育まれる自信、すなわち「自分には力があるという実感」が鍵の一つになると考えている。

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最終更新:10/10(木) 11:09
ハフポスト日本版

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