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生活保護面談を録画、是非は 「市職員の安全確保」「プライバシー侵害」

10/9(水) 10:11配信

西日本新聞

福岡市の7区役所個室に設置

 福岡市が生活保護の申請や相談を受け付ける全7区役所の面接室に、4月から防犯カメラを設置し、面談状況を動画で撮影している。市は一部の相談者から威圧的な言動をされたとして、犯罪防止や職員の安全確保を理由に挙げるが、市民が厳しい生活状況を説明する個室の録画は「萎縮につながる」「人権侵害」と指摘する声もある。危険回避とプライバシー保護の折り合いをどうつけるか。識者は十分な配慮を求めている。

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 市によると、カメラは各区役所の保護課にある面接室の天井に取り付け、トラブル発生時など、課長が必要と認めた場合に撮影する。一つの課に1台を目安とし、現在は計10台を設置。録音はしない。壁に「防犯カメラ設置」と表示し、本人の同意を得なくても撮ることができる運用にしている。これまで東区役所で5件を撮影したという。

 録画装置は課内に置き、画像は7日間保存した後に上書きする形で消去する。警察から画像提供を求められた場合は、必要最小限で可否を検討するという。

面接室で暴力を振るわれる事例も

 過去に職員が面接室で暴力を振るわれたり、刃物を見せられたりし、不当要求とみられる事例があったため、設置を決めた。運用ルールは要領で定め、市議会の可決が必要な条例は制定していない。市保護課は「面接室全てには設置せず、撮影も必要な時しかしない。申請権の侵害には当たらず、プライバシーも保護しており、条例制定は必要ないと考えた」と説明した。

 カメラ設置に対し、市民団体などから批判が寄せられ、市は過去の事例を確認。職員が威圧的な言動をされたケースは、2015年度から今年9月までに約20件あった。このうち8件は、相談者が公務執行妨害などの疑いで警察に逮捕されたという。

 厚生労働省によると、生活保護の窓口や面接室へのカメラ設置は「自治体の庁舎管理の問題」として全国状況は把握していない。運用ルールはなく、是非も判断していないという。

乱暴で過剰な警備

 花園大・吉永純教授(公的扶助論) 市民は困窮に陥るなどして相談しているのに、犯罪や不当要求の予備軍と見ているようで乱暴だ。福岡市は無制限に撮影せず一定の配慮をしているが、ごく例外的なトラブルのため設置するのはプライバシー保護の面でも過剰な警備。犯罪の証拠を残すため警察が設置を勧めることもあるようだが、対応は防犯ベルで十分だろう。

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最終更新:10/9(水) 14:08
西日本新聞

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