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リチウムイオン電池開発の旭化成・吉野彰氏ら3人にノーベル化学賞

10/9(水) 20:52配信

サイエンスポータル

 スウェーデンの王立科学アカデミーは9日、2019年のノーベル化学賞を、携帯電話やパソコン、電気自動車などに広く使われているリチウムイオン電池を開発した旭化成名誉フェローで名城大学教授の吉野彰氏(71)ら3人に授与すると発表した。IT時代の進展に大きく貢献したことが評価された。

 日本人の化学賞受賞は2010年の鈴木章氏、根岸英一氏以来で8人目。日本人の各賞受賞者は合わせると27人になった。

 吉野氏と共同受賞したのは米国テキサス大学オースティン校教授のジョン・グッドイナフ氏(97)とニューヨーク州立大学ビンガムトン校教授のスタンリー・ウィッティンガム氏(77)。97歳のグッドイナフ氏は、最年長受賞記録を更新した。それまでの記録は昨年物理学賞を受賞したアーサー・アシュキン氏の96歳だった。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれる。賞金900万スウェーデン・クローナ(約9700万円)が吉野氏ら3人に贈られる。

 吉野氏は1948年1月30日生まれ。1970年京都大学工学部卒、京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、旭化成に入社。2003年に旭化成グループフェローに就任した。同氏は同じ化学賞を受賞した白川英樹氏が発見した導電性高分子のポリアセチレンに着目し、充放電可能な2次電池の開発を始めた。そしてコバルト酸リチウムを正極とする2次電池を試作後、1985年にリチウムイオン電池の開発に成功した。リチウムイオン電池は起動力が大きく小型化も可能。携帯電話、ノートパソコン、電気自動車などに使われている。

 吉野氏は受賞決定直後、ノーベル財団のインタビューに次のように語った。

 「私は基礎研究を長くやってきた。1981年からリチウム電池の研究を本格的に始め、1985年に作ることができた。それまで長い研究プロセスがあった。気候変動は非常に大きな人類の問題だと思う。リチウムイオンは電気を蓄えることができるので持続可能な社会にふさわしい思っている」

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最終更新:10/11(金) 9:13
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