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[コラム]革新の「誇り」をよみがえらせる道

10/9(水) 8:30配信

ハンギョレ新聞

 先日5日午後。事前に計画したわけではなかったのだが、足取りは、磁石に引っぱられるようにソウルの瑞草(ソチョ)駅交差点に向かっていた。1週間前より多い膨大な数のろうそくが一つになって検察改革を叫んだ。しかし、雰囲気は3年前のろうそく革命の時とは全く違っていた。2016年の「光化門(クァンファムン)のろうそく」は国民全体がひとつになった「広場民主主義」の祝祭だった。革新だけでなく、中道や合理的な保守までもが共にろうそくを手にし、「国らしい国」を作るために力を合わせた。一方、「瑞草洞のろうそく」は感動と楽しさがだいぶ小さくなってしまった。

 3年前に光化門に集まったろうそくのほとんどは「検察改革」に同意する。しかし、「チョ・グク守護」に対しては見解の差が大きいようだ。そのため一つだったろうそくが幾つかに分かれた。大学の友人らで構成されたある登山サークルは、2次会の行き先を自然な流れで瑞草洞にした。しかし、メンバーの一部は「行きづらい」と言って、1次会の山登りにも参加しなかった。3年前に家族の手を取ってろうそくを掲げた知人は、今回は「光化門の太極旗」の前で撮った写真をカカオトークにアップした。「合理的な保守」を自称する別の知人は、「瑞草洞」と「光化門」いずれも嫌だと言って背を向けた。

 「チョ・グク論争」は革新の隠された「恥部」を露わにした。表向きは「社会正義」を叫んでいても、裏では既得権・特恵・慣行に安住してきた生き方が衝撃を与えた。これを自省の契機にすべきだということに反対する革新はいないだろう。チョ・グク法務部長官も国民の否定的な世論について、「期待とは裏腹に私と家族の問題が(国民の)尺度に満たず、失望させてしまったため」と語った。

 にもかかわらず、「瑞草洞のろうそく」が「チョ・グク守護」に固執しているのには理由がある。行き過ぎた検察捜査に対する反発と、すでに権力機構化している検察に対する不信があまりにも大きい。検察改革が雲散霧消することへの懸念や、ここで押し返されれば、ともするとろうそく政府も危険になりうるという懸念も大きい。「瑞草洞のろうそく」に合流しない革新も、これを知らないわけではないだろう。しかし、「チョ・グク守護」が革新の「二重性」批判に力を与え、ややもすると革新の道徳性にまで大きな傷がつくことを懸念する。サムスンバイオロジックス不正会計事件を暴くのに大きな役割を果たした元参与連帯のキム・ギョンユル執行委員長は、参与連帯がチョ・グクの家族の私募ファンド疑惑に沈黙していることについて「偽善者」だと批判し、「チョ・グクが退いていたなら革新の分裂もなかっただろう」と述べた。財閥改革論者で経済正義実践市民連合のパク・サンイン政策委員長(ソウル大学教授)も、(チョ・グクが)自ら辞任するよう求めた。

 こうした批判に対し、「戦争中に味方に向かって銃を撃つ行為」という指摘もある。しかし、内部批判を防ぐことは長期的には毒になり得る。民主化以前は民主・民権・民族のための革新の主張はすなわち正義の叫びだった。革新は既得権も果敢に放棄した。警察に連行され監獄に閉じ込められた。大学や職場から追い出された。しかし、そうなればなるほど革新の自負はより強固になった。軍部独裁終息以降の30年間、革新も否応なく社会の既得権構造に足を浸すことになった。その間に選出された6人の大統領のうち半分(金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)・文在寅(ムン・ジェイン))が革新陣営だ。もはや革新も自らを変革しなければ、守旧勢力に転落する危険性を内包することになった。これこそ韓国放送通信大学のキム・ギウォン教授が生前に「もはや革新派すなわち改革派ではない」と強調した理由だ。

 保守は「瑞草洞のろうそく」に対抗して9日に再び光化門に集まることにしている。もはや勢力対決に大きな意味を見出すことは難しくなった。幸い、検察改革は避けることのできない時代的課題であることが明白になった。「瑞草洞革新」も今や、より遠くを見通すべき時期に来ている。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7日、首席・補佐官会議でチョ・グク長官問題に対する言及を避けた。これは大統領がそれほど苦心していることを示している。革新が大統領の身動きの幅を広げてやるべきだ。革新が「チョ・グク守護」に固執し続ければ戦列の再整備は難しい。支持層の顔色ばかりうかがっていては、ややもすると民意全体が離れてしまいかねない。野党の無気力さに頼って「総選挙必勝論」に酔っていては、災難に見舞われかねない。保守寄りの経済界の関係者は「革新が来年の総選挙まで『チョ・グク守護』に固執したとすれば、おそらく自由韓国党がもっとも喜ぶだろう」とし、「朴槿恵(パク・クネ)前大統領もウ・ビョンウ民情首席とチェ・スンシル氏を最初に切っていれば、弾劾は成立していなかっただろう」と語った。

 革新がより厳しい物差しを自らに当てるのは宿命だ。革新の誇りをよみがえらせ、分裂を防ぐ出発点は、検察改革と「チョ・グク守護」の分離である。
クァク・ジョンス論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:10/9(水) 8:30
ハンギョレ新聞

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