ここから本文です

【ネタバレあり】映画『ジョーカー』レビュー:監督は「アメコミ映画に化けた本物の映画」って言ってたけど、どうなのよ?

10/10(木) 19:00配信

ギズモード・ジャパン

DCコミックスの超人気ヒーローのバットマンの宿敵の誕生秘話を描く映画『ジョーカー』。

【全画像をみる】【ネタバレあり】映画『ジョーカー』レビュー:監督は「アメコミ映画に化けた本物の映画」って言ってたけど、どうなのよ?

近年のアメコミ映画とは違ったアプローチの作品であることに加えて、トッド・フィリップス監督の発言も大きな話題となった今作を紹介します。あんまりオチまでは言及しないものの、ストーリーにはある程度踏み込んだ内容なので、ネタバレが気になる方は映画をご覧になってからお読み下さい。

スコセッシ風サイコスリラー

さて、映画は犯罪と貧困が広がる街ゴッサムで心に問題を抱えながらピエロとして生計を立てていた男アーサー・フレックに災難が降りかかり続け、コメディアンとして再起を図るもどん底から狂気に陥って、次第に自分を貶めた社会への復讐を画策する…といったお話。

とにかくアーサーは災難に合い続け可愛そうで可愛そうで仕方がない奴で、最初はちょっと同情してしまいますが、段々と常軌を逸してきて観客がドン引きする悪党となっていくというかなりサイコスリラーな作りの映画。

監督も参考にしたと語っていますが、明らかにジョーカーを主人公にしたバージョンのマーティン・スコセッシの映画『キング・オブ・コメディ』(有名司会者と知り合いになったからといい気になった売れないコメディアンがスターになったと勘違いして狂気に陥る話)といった雰囲気。

『キング・オブ・コメディ』で狂いゆくコメディアンを演じたロバート・デ・ニーロが、この『ジョーカー』ではアーサーを狂わす司会者役なあたりはかなり狙った作り。同じスコセッシ&デニーロの『タクシー・ドライバー』からの影響も強く、アメリカン・ニューシネマ的とも言える作品です。

言い換えれば、他のいわゆるアメコミ映画と比べるとかなり地味であり、ほとんどアクションもないので、そういった路線を期待した人は面食らってしまう作品だったかも(そのへんは期待させない予告だったけれど)。

バットマンは出ないがそこがいい
またストーリー的な部分で他のDC映画とのつながりはなく、ヒーローも登場するわけではないので、バットマンや他のヒーローが見れる作品でもありませんでした。しかし、この作品の最大の魅力はそこだったとも言えるでしょう。

映画にどんなに怖いヴィランが出てきても、ヒーローが出てくる映画だったら最後はヒーローがかっこよく決着をつけてくれるという期待とある意味の予測が立ってしまうわけですが、この映画はヒーローが影も形も見せてこないので(厳密にゼロかというとそうでもないのですが…)、展開が読めずにストーリーに引き寄せられていきます。

ホアキン・フェニックスの怪演には一見の価値あり
そんな具合に観客を飽きさせないのはストーリーの構造もさることながら、なにより主人公を演じるホアキン・フェニックスの凄まじい演技。この役のために24キロも体重を落としてガリガリになったホアキン・フェニックスが見せる狂気は、アメコミ映画に厳しい批評家たちも絶賛したのは頷けるところ。この辺、デニーロっぽくもありますね。

緊張すると悲しくても笑ってしまう病気の男を演じるホアキンを観に行くだけでも、この映画を劇場で見る価値がありますよ。それだけの凄さ。

また、街は荒廃してるし最低最悪のことが起こり続けるのですが、撮影自体は美しく画として超カッコいい場面が盛りだくさんなのも魅力の一つとなっています。

1/3ページ

最終更新:10/11(金) 17:31
ギズモード・ジャパン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事