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迫る台風またも…千葉の被災者「体がついていかない」

10/10(木) 12:47配信

朝日新聞デジタル

 猛烈な台風19号が迫る中、ひと月前の台風15号で大きな被害を受けた千葉県では、被災者が屋根を覆うブルーシートのロープを締め直すなどの対応に追われている。

 「ブルーシートはもう飛んでいってしまうとあきらめている。窓が割れるのだけでも防げたら」

 房総半島南部の鋸南町岩井袋地区で9日、自宅の雨戸を木材で固定していた男性(64)は額の汗をぬぐった。

 だが、自力で備えるのが難しい人もいる。この地区でブルーシートで覆われた家に一人で住む渡辺久子さん(78)は「前回の片付けだけで精いっぱい。体がついていかず、次の台風の対策もしようがない」と話す。

 漁師も対応に追われた。館山市布良(めら)地区の須藤利和さん(65)は、伊勢エビ漁船をロープで固定した。台風15号の被災以来、1週間ほどしか漁に出られていない。「やれる準備だけして、それでだめならしょうがない。商売道具だから船だけは無事でいてほしい」

 初動対応の遅れをめぐり、議会などから批判を浴びた県も9日、災害対策本部会議を開き、県内全市町村に情報連絡のための職員を派遣することを決めた。

 県は、台風15号による大規模停電で行政機能がマヒした南房総市や鋸南町などへ、初動段階で職員を派遣しなかった。その反省を踏まえ、台風19号が最接近するとみられる12日の前日までに、県内54市町村に情報連絡のための職員を原則1人派遣する。

 県の地域防災計画では、市町村の要請を受けずに県が支援物資を提供する「プッシュ型支援」を進めると定めているが、台風15号の際は実施されなかった。今回は、水や発電機など県の支援物資の備蓄状況を各市町村に知らせる一方、ブルーシートも新たに確保するという。

 また、停電や断水に備え、東京電力や水道事業者などとの連携を密にすることが再確認された。森田健作知事は「再び停電や断水の発生が懸念される。本庁と出先機関が一体となり、あらゆる事態に即応できる態勢を確保して、万全とすること」などと指示した。(今泉奏、古賀大己、上田雅文)

朝日新聞社

最終更新:10/10(木) 16:15
朝日新聞デジタル

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