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又吉直樹、新刊会見で見せた“人間力” 相方愛もチラリ「今回も読んでくれるかも」

10/10(木) 14:42配信

オリコン

 2015年『火花』で第153回芥川龍之介賞を受賞したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹(39)が10日、都内で初長編小説『人間』(毎日新聞出版)発売記念会見を開催。「できる限り質問を受け付けたい」との意向から、質疑応答の時間が30分ほど設けられた。作品に関連していつにも増して多種多様な質問が飛んだが、芸人、作家の両面から丁寧に対応していた。

【全身ショット】グレーのスーツで登場した又吉直樹

 今作は、自身初となる新聞連載(『毎日新聞』夕刊にて2018年9月3日~2019年5月15日連載)として、毎週月曜から土曜まで、平成と令和の時代をまたぎながら執筆。過去2作では青春のなかにいる若者たちの夢や挫折が描かれたが、本作は執筆時の著者と同年齢となる38歳の男が主人公であり、青春のあともなお続く人生の残酷さと仄(ほの)かな救済がテーマとなっている。

 これまでとは違って、新聞連載という形を採用したからこその刺激があったようで「せっかくの連載だったので、最初にすべて書き終わって小分けにするよりも、連載ならではのライブ感を感じながらやりたいと思っていました。自分もどうなっていくのかわからないような流れが生まれても、あえて戻らずに引き受けて、この先もしかしたら何もないかなと思いながらも進んでいくのは大きく違ったポイントかなと。その流れのおかげで物語が動きました」と回顧。

 今回の主人公の年齢に絡めて「年齢が近い佐藤仁美さんが先ほど結婚を発表されましたが」との質問には「本当に祝福したいですし、うらやましいという言葉しか出てこないですね。きょうあったんですか。誰かが幸せになるっていうことはすごくいいことです。いいことですよね(笑)。僕も人を愛する準備もできているんですけど…そうですね。頑張ります」と祝福。また、きょう10日にノーベル文学賞が発表されることに関連して、毎回有力候補として名前が挙がる作家の村上春樹氏への言葉を求められると、冷静に自身の思いを口にした。

 「普段から書店に行っている人はどんな時でも足を運ぶと思うんですけど、買おうと思ってない人が書店に行って、作家さんの本を買った時にどこかで気になった別の本を手に取ったりっていうことがあったりすると思うので、そういう意味でいうとすごく盛り上がっていいんじゃないかなと。個人的に思うのは、大きな賞を取っても取らなくても作品自体は変わらないですし、僕も好きで読んできたので、読者としてはどっちでもいいです。客観的に見ると盛り上がっていいなと思いますけど、受賞してもしなくても。ご本人もそういう風に気にされていないんじゃないかな」。

 その上で、将来的に自身の受賞について向けられると「ものを作る時の動機っていうのは、もうちょっと違うところにあって、小学校の時にノートに漫才とかコントを書き始めた時って、別にそれでご飯食べていこうと思ってなくて、書かずにはいられなかったから。本を書く時もそんなことないですし、考えたところで絶対無理なので」と笑わせた。

 一昨年10月から米ニューヨークに活動拠点を移している相方の綾部祐二の反応については「本を贈るようにお願いしているんですけど、ちょっと離れているものでまだ届いてないと思います。リアクションは返ってきてないですね。これまでも一応手に取ってはくれていて『火花』は、僕が書いた時間よりも長い時間をかけて読み切ってくれたので、今回も読んでくれるかもしれないですね」と相方愛にあふれるコメント。

 芸人としてのキャリアを重ねた上での作家デビュー。「『火花』を書いた時、語り手と僕が同一視されることがあって、自分の母親にも作中人物がお酒を飲むので『飲みすぎないように』って言われたんです。2作目では、そういうのは邪魔なんじゃないかなという思いがあって、自分のように見えないように書こうという意識があった」と苦悩をしていたことを明かした。

 「それでも僕の姿とか僕の声で頭に浮かんだっていう声がありました(笑)。ピースとして活動する中で知ってもらって、そこから手にとってもらうことが多いので、そこは作家で表現を初めた人とは違うのかなというのがあったので、混同されることを意識する必要もないのかなと思うようになりました。今回は登場人物と自分自身が近くて、小説全体も自分の話やなと思いながら書きました」。さまざまな思考を経て、できあがった進化の3作目。この日の会見では、そんな又吉が真摯に対応する姿から“人間力”を感じることができた。

最終更新:10/11(金) 14:25
オリコン

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